捧げ物

□ペットとご主人様を求めた訳じゃない!
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鬼道の喘ぎを思い出すだけで、身体が熱くなる。
総帥にぐちゃぐちゃにされた鬼道を思い出すだけで、身体は疼きを覚える。
どうしようもない姿を見られ続け、手を差し伸べようとしない自分を見てくるあの鋭い眼を思い出すだけで、激しい衝動に駆られる。
でも、その衝動は妄想か夢の中で出しか爆発させない。
自分の立場は弁えている。
鬼道は総帥の玩具で、自分が手を出してもいい様なものではない。
だから、必死に心の中にある衝動を押さえつける。そして、それを頭の中に描いた鬼道にぶつけ、その描いた鬼道をボロボロにしてしまうのだ。
それが、佐久間のささやかな楽しみであり、ある種の報酬みたいなものだった。
だから、あの日、総帥に鬼道を好きにしてもいいと言われた時ほど、歓喜に震えた日はない。
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