☆BLEACH☆

□伸ばされた手
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「適当にくつろいでいて」

朱音は冬獅朗を家に上がらせると自分の部屋に行った。朱音の家といってもマンションだった。
五階建てのマンションにしては小さいがそこの五階の端の部屋に住んでいた。
冬獅朗は靴をぬいで入った。中は結構綺麗で見た感じ何もなかった。

(朱雀と二人暮らしだもんな…)

冬獅朗は中央のリビングのカーテンを開き外を見た。外はもう多く家に帰ろうと人通りが多い。

「何してるの?」

振り向けば朱音が私服で立っていた。

「いや、なんとなんく見てただけだ」
「ふ〜ん…ここからの眺め、結構いいでしょ」
「…そうだな」

きっと朝日とか夕陽とか綺麗に見えるだろう。
冬獅朗はカーテンを閉めてその場に座った。

「朱雀、遅くないか」
「そうだね…何かあったのかな…」

時計を見ると7:03だった。そろそろお腹がすいてくる時間だ。

――ぐぅぅぅぅ

そう思っていると朱音のお腹が盛大に鳴った。朱音は一瞬で赤面になった。
自分のお腹をさすりながらえへへと笑う。

「お、お腹すいたみたい…」

恥ずかしそうに言う。

――ぐぅぅぅぅ

ふっと笑った冬獅朗のお腹も鳴った。冬獅朗の顔も真っ赤になって急いで顔を逸らす。

「そ、そういえば、昼食べてなかったからな」

耳まで真っ赤の冬獅朗に思わず笑みがこぼれる。

「じゃあ、私が作ろうかな。冬獅朗、何か食べたいものある?私が作れるものでいいなら作るよ」
「お、お前作れるのか!?」
「朱雀ほど上手じゃないけどね。一応一般的には出来るつもりだよ」

そういって台所に向かいエプロンを結ぶ。

「で、何かリクエストはある?」
「いや、特にない」
「じゃあ適当に作るね」
「あぁ」

暫くするとトントンと包丁がリズムよく聞こえてきた。その音が妙に心地よく目を閉じて聞いていた。
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