☆BLEACH☆

□泡沫の記憶
3ページ/15ページ

「やめろ!!!」

三人の間に入った冬獅朗が朱雀と一護の間に入って氷輪丸で二人の斬魄刀を受け止めた。
さすがの二人も驚いたがすぐに険しい顔になった。

「冬獅朗様どいてください!!」
「断る!!」
「冬獅朗どけ!!」
「断る!!!」

二人の申し出を頑なに断る。一歩も引かない両者。先手を打ったのは朱雀だった。

「これはもう朱音様ではありません!朱音様の姿をした敵です!!」
「朱音は操られているだけだ!!こいつを倒したら朱音は死ぬんだぞ!!」
「だからってこのままで朱音が喜ぶとでも思っているのか!!」
「だからって割り切れというのか!!」

冬獅朗は二人を弾き返した。そして二人を睨んで続けた。

「黒崎!!お前の妹が朱音と同じことになったら同じことが出来るのか!!」
「なっ!?」
「黒崎夏梨が悲しむからと言って同じように殺せるのか!?」
「それは……っ」

言葉が詰まる。もし夏梨が、遊子が同じ状況になったら…自分はどうしただろうか。

「朱雀!!お前は朱音が簡単に殺してもなんとも思わないのか!?」
「私がどういう思いで朱音様に刃を向けているか知りもしないのにそんな口を聞くな!!」
「そんな思いなんて知りたくもないわ!!!」

冬獅朗の言葉に怒りが爆発した朱雀は口調がガラリと変わり怒鳴ったがそれさえも冬獅朗の声が掻き消した。

「何故すぐに諦めた!!何故他に方法がないか捜さなかった!!」
「捜しても無駄です!!もう手遅れなのです!!」
「ふざけるな!!そんなこと誰が決めた!?てめぇのものさしで朱音の運命を決めんじゃねぇ!!」

冬獅朗に圧倒された二人はあいた口が塞がらない様子だった。
すると冬獅朗の後ろでむくっと起き上がる朱音がいた。

「冬獅朗!」
「冬獅朗様!」
「!?」

振り返った冬獅朗の前には霊刀を振り降ろそうとしている朱音がいた。
冬獅朗はそれをギリギリ受け止め感情のない朱音の顔をじっと見る。

「こいつは…俺が助ける!!」

朱音を押しのけ対峙する。朱音に斬魄刀を向けて呟く。

「俺が…朱音の眼を覚まさせてやる!!」
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ