涙心
□02:思い出の恋心
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そしてある日、バカの丸井から今度はどうでもいいとは言えない質問をされた。
「お前さ、好きな奴いんの?」
「…は?」
持っていたシャーペンの芯が折れた。
「おっ、図星か?」
「…いないし」
芯をだそうとずっとカチカチやってると、芯が5p以上出てしまっていることに気がつく。
「ははっ、お前動揺しすぎ!!分かりやすいな〜」
「うっさい」
「で?誰?」
いるなんて一言も言ってないのに!!
「だから〜いないって言ってんの。聞いてた?」
「嘘だろ」
まったく…。この人は「信じる」という言葉を知らないのかな。
「言わなかったらな〜、お前の秘密ばらすぜ」
「は?」
あたし、丸井に秘密なんて教えたっけ?
と言うか秘密と言うほど知られたくない事はあたしにはないけど…。あったとしても丸井には教えないしね。
「秘密って何?」
「ん〜と…お前がAカップだって事」
「なっ!?」
「え?当たった?」
「…なわけないでしょ変体!!」
実は…当たってました//
「あっ分かった!!」
「…今度は何ですか?」
「お前の好きな奴って……元彼だろ!?」
「…え?」
「もしかして当たったとか?」
嘘…何で??当たったとかその前に、何故あたしに彼氏がいた事を知っている!?
「あ…あたしなんかに彼氏がいたわけないじゃ〜ん」
「だよな〜。俺今のダメもとで言ったし」
ダメ…もと…?
ムカつく!!
「一生話し掛けるな」
「はぁ?何キレてんだよ優菜〜」
「あと、二度とあたしを名前で呼ぶな」
「何だよそれ。てか謝るから許せ若宮!」
ホントこいつは…昔を思い出させる天才だ。