涙心

□06:疑惑の恋心
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「よっ、若宮。おはよ」

「え?!お、おはよ!」

「なんだあ?何テンパってんだよ」

「な、何でもないよ」

「あっそ」


…今日のあたしなんか変。
ただブン太に挨拶されただけで。
何でこんなに緊張してんだろ。


何だか、ブン太を見てると…。



「な、何だよ。見つめてきて。あ、もしや俺に見とれてた?」

「はあ!?んなわけないでしょ!」

「ちぇ、残念」


残念って何よ。


そんなこと言うと。



「……」


ほら、

また心臓が大きくなりだして。

あなたを目で追ってしまう。


「だっから何だよ!俺の顔に何かついてんのか!?」

あたしがあまりにもブン太のことを見つめてたもんだから、ブン太は顔を赤くしてきた。


「何でもないってば!」

「訳わかんねえ」



こっちだって訳わかんないよ。
何でブン太なんかにドキドキしてるのか。



だけど、この感覚にあたしは身に覚えがある。


まさかあたしが、コイツなんかに…。




 

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