涙心

□03:放課後の恋心
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「「キャ―――――!!」」

「「仁王せんぱーい!!」」 「「赤也くーん!!」」

コートの周りを、女子達が隙間のないくらいずらっと囲んでいる。



「うわぁ…すんごいギャラリーだわ〜」

「ここ…テニスコート?」


あたしは男テニの部活を見るのは初めてだ。やっぱ噂通り、男テニのファンは多いんだね。



そういえばあいつも男テニだよね?



「どう?天才的ぃ?」

そんな声が聞こえた。
自分で天才って言うなんてバカじゃないのと思ったけど、後々考えたらこの声って…。



「「キャー!!丸井くーん!!」」

やっぱり…。丸井が言ったセリフだったか。ふ〜ん、丸井でも人気あるんだ。



「キャー、丸井くん天才的ー!!」

と言いながら美奈子は持っていた鞄を放り投げてコートへ走って近付いていった。
あたしも1度溜め息を着いてから美奈子の所へ走って行った。



「決まりぃ♪妙技綱渡りっ!」

「「キャ―――!!可愛い―――!!」」



…天才だっていうのは…ちょっと認めてあげるよ。



「丸井君凄いな〜。しかも可愛いしっ」

両手を胸の前で合わせながら美奈子が言った。



周りからのキーキー声であんまり聞こえなかったけど…。






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