涙心

□04:秘密の恋心
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「ん〜と…残った丸井はアンカーね」

「ぶっ…!」

可笑しくて吹いてしまった。
前の席に座っている美奈子の顔は見えないけど、手で口を押さえてる様だったのでたぶん笑いを堪えてる。



「丸井、てことでシクヨロ〜」

と学級委員の女子が言うとブン太は起き上がった。



「は?何が?」

「聞いてなかったの?だから、丸井が運動会のリレーのアンカーを走るっていうの!」

「アンカー……は!?ふざけんなよ!アンカーは仁王でいいだろ!?」


みんなが仁王の方に目を向ける。



「俺は運動会の日に腹が痛くなる予定だからアンカーは無理じゃ」

のんきな仁王。



「だそうです」

「この詐欺ヤロォ…。わかったよ。俺がアンカー走る!」

「「おぉ――――!!」」


みんなは丸井に拍手をする。
だけど当たり前そんなことをされても丸井は喜ぶはずもない。










運動会の種目決めが全て終わった後、丸井が隣りでグチグチと色んなことを言っていた。



「クソォ…。アンカーなんてやったことねぇし。誰か代わってくんねぇかなぁ…」

「寝てるから悪いんじゃない?」

「ぜってぇ運動会の日休んでやる…!」

と言ってる丸井だけど、どうせ運動会の日は休まないんだよね。



「丸井君!あたし応援するから!!」

「あ〜サンキュ〜」

嬉しくなさそうな丸井。



「可愛い女の子がそう言ってんだし少しはやる気出せば?」

あたしがそう言うと、



「だったらお前アンカーやれよ」

「は?」

と意味のわからないことを言われた。



















たしか運動会は7月。今は6月の下旬。体育の時間は運動会練習になるんだろうな。

ま、本番の時に丸井の応援をしないわけでもないけど。テキトーにどこかで応援してますよ。










丸井〜…頑張れ〜…。





Fin

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