そのた

□微睡ティータイム
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「それでね、海の中からね…」

いつもの昼下がり、俺が3時のおやつの準備をしていて名無しさんちゃんはそれを待ちながら色々な話をする。

しかし今日はいつもより間延びした彼女の声。
眠いのを我慢してうまく動いていない頭を無理やり動かし、半分夢見心地で何とか喋っているのがひしひしと伝わってくる。

…名無しさんちゃんは昨夜不寝番だったからな。

「羊が、ね…」

「海からかい?」

それまでゆっくりながらも何とか話がつながっていたのが、とうとう噛み合わなくなってきた。

名無しさんちゃんはやわらかく笑って、

「違うよ、海から羊だなんて…サンジったら」

自分が間違ったなんてまるで思っていないようだった。

「それで…ええと…何だっけ?」

「名無しさんちゃん、」

一旦作業の手を止めて、まどろみに負けそうになっている彼女の方を向く。
案の定瞼は半分落ちており、口元は妙に緩んでいる。

「眠いならちゃんと寝たほうがいいよ、無理しなくても…」

「だってね…」

今度はむっと唇をとがらせてじっとりと俺を見る。ころころ変わる表情に思わず笑みそうになる。


「この時間はせっかくサンジと二人でお話できるんだからね、寝るのもったいないから…」

ああ、この子は何でこんなかわいいことを容易く言ってのけてくれるのだろう!

今すぐ抱きしめて嫌がるくらいキスしたい衝動をどうにか抑えて、瞼が落ちかけている名無しさんちゃんにゆっくり近付く。
俺を見上げる彼女の頭をやんわりなでると、ん、と小さく息を漏らすのが俺をどきりとさせた。


「名無しさんちゃんが望むなら、夢の中でお話の続きをしようか?」

ちゃんと耳に入っているのか分からない惚けた顔をした名無しさんちゃんだったけど、俺がそういうととても嬉しそうに笑ったから、



(おやすみレディ、二人きりのティータイムは夢の中で)

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