ジョジョ暗チ中心夢

□You know...
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「っうー…」

私はクッションに顔を押し付けて、唸るようにそんな声を発した。
さっきから涙が止まらない。自分が涙もろいとは分かっていたけど、ここまでとは。


帯に書かれた『前代未聞の感動作!』、なんて安っぽい言葉だと思いながら買った本にここまで泣かされてしまうなんて…。

アジトに誰もいなくてよかった。
ナランチャとかミスタとか、絶対バカにしてくるもの。


「…名無しさん?」

ふいに声をかけられて、私はびくりと身を震わせた。
あれ?誰もいなかったんじゃ?!

ゆっくり顔を上げると、目に飛び込んできたのは呆れ顔のブチャラティ。

「うー…ブチャラティ…」

駄目だ、今は言葉を発するだけで泣けてくる。
ブチャラティはやれやれというように苦笑して、ぽんと私の頭に手を置いた。
そして軽く、私の頭を撫でてくれた。

私はその動作にすら涙が込み上げる…さっき読んだ本のワンシーンを思い出したからだ。
…感化されすぎだ、私!


「そんなに泣かれると、俺が悪いことしてる気になる」

そう言って、ブチャラティは涙に濡れた私の頬に手を当てた。
私が目をぱちくりさせているのを気にも止めずに、彼は私のまぶたに唇を寄せる。

ちゅ、とやわらかくキスを落とされたあと、ぺろりと涙を舌で舐められた。

「っ?!」

びっくりとドキドキで、私はすっかり泣き止んでしまった。


「お前に泣き顔は似合わないからな」

ブチャラティはいたずらっぽく笑って、もう一度私の頭を撫でる。

「…ブチャラティはさ、」

あ、ヤバい、顔が熱い…。きっと、真っ赤だ。

「涙の味でも、何か分かるの?」

だって汗の味では嘘が分かるんでしょう?そう付け加えると、ブチャラティはそっと私の耳元に囁いた。

「名無しさんのことなら、顔を見ただけで何でもすぐ分かる」


(じゃあ何ですぐ舐めるのかな!)

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