ジョジョ暗チ中心夢
□Impulse
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「リゾットー…」
元気の無い、沈んだ小さな声で名前を呼ばれたと思うと同時に、背中にどんっと衝撃を感じた。
それが名無しさんであると分かっていただけに、腰の周りに回された腕に少し動揺してしまう。
「何だ」
自分の口から出た声はひどく素っ気ない響きを持っていた。そうしたい訳ではないのに。
「慰めて…」
腕の力が強くなる。反対に声は、情けないくらいか細い。
「どうした」
名無しさんの手に自分の手を重ねた。
俺より大分小さく、白い手。
「何も、聞かないで。でも慰めて」
我が儘な注文だ。
何も聞くな、なんて今の俺の気を少しでも分かっていたら言えないだろうに。
…名無しさんをこんなに落ち込ませたのは、誰だ。
「…元気出せ」
気の効いたことの一つも言えない。
でもそんな男を頼ったのは名無しさんの方だ。
「うん…」
名無しさんの顔を見たい。
俺の背中に埋めた顔はどんな表情なのか。
でも、もしその表情を見たのなら。
「お前にそんな顔をさせた奴は、殺してやろう」
きっとその衝動を止められない。