ジョジョ暗チ中心夢
□後日談
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「プロシュート、おはよう」
翌朝、リビングでプロシュートと顔を合わせた。
プロシュートは優雅にコーヒーをすすっていて、他にはまだ誰もいないみたいだった。
「メローネとはうまくいったか?」
微かに微笑みながら、プロシュートが訊ねる。
そんな第一声に、私の疑いは確信に変わった。
「…やっぱり、昨日のはわざとだったのね?」
プロシュートの隣に腰掛け、彼の問いには答えずに聞き返した。
「お前ら、見ててじれったいんだよ」
「へ?」
気の抜けたような私の声に、ため息をつかれてしまった。しかしその表情は柔らかい。
「メローネは猛烈すぎるほどアピールしてるのに、名無しさんはアホみたいに何も気付かない…挙げ句、毎日うるさいしな」
「…アホみたいって…」
私には私なりに心情の変化が色々あったんだもん。
「俺に言わせりゃどっちもまだまだお子様だ」
薄く笑みを浮かべてコーヒーを煽るプロシュートは、なるほど、大人の雰囲気がそこはかとなく漂っているように感じた。
「あの時メローネが来るのが分かってたからな、ちょっときっかけ作りでもしてやろうと思っただけだ」
「…あんな紛らわしいことするから、メローネがすごく怖かった」
してもらった立場から言うのも生意気かもしれないが、もっとソフトなやり方は無かったのだろうか?
「まぁ、あんなに怒るとは思わなかったがな」
プロシュートにも予想外だったなら、仕方ないか。
それでも私は、今となってはメローネがあんなに怒ってくれたことが少し嬉しかったり。
「…でも、ありがとう」
プロシュートのおかげで、自分の気持ちにちゃんと気付けたから。
そう言うと、プロシュートはこつんと私の頭を軽く叩いた。
「あいつと、仲良くしろよ」
「…うん!」
本当に、プロシュートはお兄さんみたいだ。
私もペッシみたいに、兄貴って呼びたくなるくらい。
私が照れ隠しに笑いかけると、プロシュートもふっと笑いかけてくれた。
…プロシュートみたいな人がいてくれて、よかったな。