ジョジョ暗チ中心夢

□手の平の上溺れる魚
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「っ、昨日…」

このタイミングで話し出す私は、どうかしてる。
頭の隅でちらりとそんなことを思ったけど、余裕そうに薄い笑みを浮かべて私を見るメローネを見ると何だか腹立たしくなってきたから、そのまま話を続けることにした。

「誰と、歩いてた?誰と、手繋いで…あっ」

「あぁ、見られてたか」

強く腰を打ち付けて私を黙らせた後、メローネは私が抱く疑惑を否定することもなく軽い口調でそう言った。

見られてたか、なんて白々しい。見せてたくせに。
私に見えるように浮気の真似事なんかして。

「…妬いた?」

メローネは確認するように問いながらも腰の動きを激しくするものだから、私の口からはだらしない嬌声しか出ない。

妬いた、って言わせたいくせに。全部メローネの計画通りのくせに。
妬いたなんて言いたくないけど、嫉妬したのは本心で。(嫉妬させられた、のほうが正しいけど)
正直にメローネの求める言葉を言わないと、彼の心が離れるかもしれないことも怖くて。

馬鹿みたいにメローネのことしか考えてない…重症よ。

「こ、ころしたいくらい…妬いた」

策略だと知っていても、想いは揺れる。
だから結局は彼の思うまま。

目を細めて嬉しそうに笑った彼は、ベネと囁いて私に熱いキスをくれた。
まるで正解とでも言うかのように。


「安心して…本当に愛してるのはあんたのことだけだぜ」

そんな軽くて薄い言葉を信じろって言うの?酷い男。
そんな思いを込めて恨みがましく睨んでやるが、当のメローネは意に介さない様子で私の耳元で囁く。

「っはぁ、名無しさん…中、出すぜ?」

「や、やだ…中はっ、や、ああぁ!」

中に熱いものが流れ込んでくる感覚が伝わってきて、私はぶるりと身を震わせた。
対照的に彼は満足そうに私を掻き抱いて余韻に浸る。

…今のも、そう。
私の言うことなんて、することなんて、彼の筋書き通り。
メローネの手の平の上。

この後のことを考えるとうんざりする…。
嫌と言うほど中に指突っ込まれてメローネの出したそれを掻き出されるのだから。

「今の拒否、ベリッシモ興奮したぜ…名無しさん、あんたは最高だ」

「…あんたは…最低」


滑稽でしょう?
彼の手の平の上で溺れる私は。


…でもその息苦しさが、心地いいなんて。


(魚は水が無い状態でどのくらい生きられるか、なんて、考えてしまってはいけない)

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