ジョジョ暗チ中心夢

□ある雪の日のおはなし
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「雪!雪積もってる!」

朝一番に窓の外の景色を見て急激にテンションの上がった私は、リビングに入るなり叫ぶようにそう言った。

…しかし思いの外他のメンバーのリアクションは薄く。

「そうだな、積もってるな」

新聞から目を離さずにホルマジオがそう言っただけ。
プロシュートやリゾットは私を意図的に無視しているとしか思えない。

「…雪が積もっています、たくさん」

本当に分かってる?確認の為にもう一度その事実を口にする。

…今度はみんな無視。
何だって言うんだこの人たち!雪が嫌いなのか私が嫌いなのか!


無反応の皆さんをどうしてやろうかと考え始めたとき、ぽんと背後から頭に手を乗せられた。

「おはよう名無しさん、朝から元気だな」

そのままくしゃくしゃと頭を撫でてくるのは、メローネだ。
他の誰かが声真似をしていない限り。

「メローネ、雪降ってる!」

頭から手を払って向き直る。
メローネは苦笑いして、そうだなと一言。

メローネくらいはテンション高くありなさいよ。
私はもはや呆れてしまってため息を吐く。

「…もうっ、みんな童心を忘れたの?」
「あーあー、朝からうるせぇなクソッ」

セリフ丸被りでキレられた。
睨もうとしたら、ギアッチョはもう既に私の横を通り過ぎた後だった。

「改めてギアッチョにも言ってあげまショウ…」

こほんと一つ咳払い、そして両手を腰にあてる。
今日何度も言ったあのセリフをぶつけるために息を吸い込み、

「っ」

「雪が降ってるんだろ、知ってるから言うなよ」

そっけないギアッチョの言葉であえなく玉砕。
だけどめげない負けない挫けない。

「…なぁ名無しさん、雪が降ってるから何だって言うんだ?」

「よくぞ聞いてくれました!」

いつの間にか鏡から出てきてたイルーゾォをびしっと指差す。
視界の端でプロシュートがやれやれと首を振るのが見えたけど、リゾットの小さなため息が聞こえたけどそれは無視。


…分かってるよ、みんな私が何を言いたいか分かってるからそういう反応すること。

……だからって私は諦めないけどな!


「雪合戦しましょーうっ!!」
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