ジョジョ暗チ中心夢
□果てしなく暑い夏
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「名無しさん、今日も暑いな。いいモノ買ってきたぜ」
暑いから会いたくなかった変態がノックもなしに私の部屋に押し入ってくる。息切らせてるしこいつ本当に暑苦しい、涼しそう
なのは見た目だけだ。
「いらない、どうせロクでもないものでしょ」
昨日も同じように冷やしたローション持ってやってきて、これで涼しく×××できるぜ!だなんてニヤニヤしながら言ってきた
から思い切り殴ってやったのに懲りない奴だ。
「ほらほら、アイスだ、おいしそうだろ?」
「何よそれを突っ込んで涼もうっての?一人でやってなさいよ」
言ってから気付いたが普通アイスを買ってきたなんて言われたら食べるor食べないで答えるんだった。間違いなくこの変態に毒
されている…自分が嫌になってがくりと頭を垂れた。
「それも魅力的なプレイではあるけど、普通に上の口で食べてくれてもいいんだぜ?」
「うるっさいわね…くれるなら早く頂戴よ」
手を出して催促したところで初めてメローネがどんなアイスを買ってきたのかを見た。
バニラ味だろうと思われるスティックアイスだった。
「私はアンタが何を考えてるのか分かって嫌な気持ちだわ」
「書類と睨めっこの名無しさんに一時でもリラックスしてほしい俺の気持ち分かってくれた?ほら、早くしないと溶けるぜ」
アイスに罪はないので食べようと思う、そろそろ休憩もしようと思っていたし。でもこいつが思うようにするのは嫌だ、気を付
けて食べないと。
「…アンタは食べないの?」
「名無しさんが食べるの見てるだけで楽しいからいいよ」
「ホント気持ち悪い」
「そりゃどうも」
もう既に少し溶けかけているアイスをかじる。下の方から垂れるのももったいない気がするけどそれを舐めて変態を喜ばせるよ
りは、ちょっと不快だけど手を汚すのを我慢する方がましだ。
「痛い食べ方するなよな」
「変な想像するな」
メローネは本当にじっと見てるだけだ、ニヤニヤ笑いながら。
…何か変なものでも入ってるんじゃ、と勘繰りだすとどこまでも怪しくなってきて手を止めるとぽたりとアイスの滴が手に落ち
た。しかし半分ほど食べた今更疑っても仕方ないしとりあえずはやく食べてしまおう。
「君の手に垂れたそれ、アレに似てるよな?」
「うるさいったら」
白々しい、だからわざわざバニラ味買ってきたくせに。残った分を一気に食べてしまって、机の上に置いてたティッシュで手を
拭いた。メローネが口笛を吹く。死ね。
「はあ、やっと食べ終わったな」
「ハイハイごちそーさまでした、おいしかったおいしかった」
手、洗いに行こう。メローネに背を向けて部屋から出ようとしたところ、いきなりがっしりと腕を掴まれた。振り向いて睨みつ
けるとメローネの笑みはさっきより深くなった。
「どう、アツくなってこない?」
「…は?」
「おいしかったろ、媚薬入りアイス。特注なんだぜ?」
私の腕をつかむメローネの手の甲を全力で抓る、が、まったく気にしてない様子で反対の手で堂々と私の胸を鷲掴み。
「離せ、私トイレに行く」
「一人で楽しむ気かい?俺にも見せ、」
「ゲロを吐きに行くのよ!」
その手を叩いて一歩メローネから距離をとるが、それが十分な距離でないことは分かっていた。
「…冗談よね?」
「残念だけど今日は本気の日。それにしてもアイスはおいしかったな?」
「アンタまさか…」
準備万端ギンギンの変態と対峙しなくてはならない夏の日は果てしなく熱い。