沙夜の哀
□出会い
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スレイと出会ってからいろあった。
SEED化した原生生物の浄化、ディ・ラガンの鎮静、新しい土地の開拓調査、子供のおもりや買い出しミッションまでやったわ。
一人だった時より、確実に行動の幅が広がっている。
仲間を作ると言う事がこんなにも影響を及ぼすものなんて…。
あのとき出会えて、ほんとに良かったと思ってる。
どうか今がずっと──
シュイン
急にマイルームのドア開きスレイが入って来た。
「よっ」
「ノックくらいしなさい!」
「いいじゃないの、俺とお前の仲なんだから。何かしてた?」
「別に…」
あたしはスレイの視界に映らないように日記帳を引き出しの中へしまった。
「用も無く来た訳じゃないでしょ、話は何?」
「おう、新しい仕事をもらったよ、ただちょっと今回は敵が厄介だからみんなも一緒だ」
「ふぅん、場所は?」
「ニューデイズ、アルテラツゴウグが暴れ回ってるらしい」
「アルテラツゴウグですって!?」
「そうだ」
「どうして教団の管理下であるアルテラツゴウグが暴れてるのよ」
「さぁ、でもこれもSEEDの影響なんだろう」
「みんなと会えるのは嬉しいけど、あたし達でなんとかなるの?」
「大丈夫さ」
「大丈夫って…、根拠もないくせに」
でも、なぜかスレイ大丈夫だと言えば安心できる。
「え、言いに来たのはそれだけ?」
「それだけって、早く準備しないと遅れるぞ」
「え!?準備って今から行くの!?」
「う、うん」
「うっそ、なんでそんな急なのよ!もっと早く教えてくれたって良かったじゃない!」
「ごめんごめん、忙しくて忘れてた」
スレイはハハハと、軽く申し訳なさそうにするだけ、いつものことだから別に怒る理由にもならないけど、たまにはガツンと言った方がいいのかしら。
「はぁ、もう…。すぐ済ませるからちょっと待って…、ん?みんなはもう来てるの?」
「ああ、来てるよ」
「どこ?」
「ここ」
「え?」
するとスレイの後ろからひょこっとニューマンの女性が現れた。
「へへへ、こんにちはぁ」
「こ、小暮、いつから居たの?」
「んー、スレイと一緒に入って来たよー」
「そ、そう」
「相変わらず沙夜さんはスレイしか見えてないんですねっ」
きゃは、とあどけないように小暮は言う。
「ひとつの事に集中するのはいいが、それで周りが見えなくなるのはいかんな」
そういいながら青いボディに包まれたキャストが現れた。
「ソルも居たのね…」
「戦場でそんなんでは命がいくつあっても足りないぞ」
「相変わらずめんどくさい人」
「おい!早く行こうぜ、ここ退屈だ!」
一際大きな声で話すヒューマンはシン、この中で1番の最年少。
「退屈で悪かったわねシン、早く出発したいなら部屋から出て行ってちょうだい、すぐ行くから、はいみんなも出てった出てった」
「うぃ〜」
やる気のない返事をしてスレイが出て行き、他の二人も続いて出ていく。
「…」
「…」
「ふぇ?小暮も?」
「小暮はいいわ、着替えるの手伝って、ヨイタビラ一人じゃ着にくいのよ」
「はーい」
「沙夜さん」
「ん?」
「なんでこんな重くて動きにくそうなの着るの?」
「あたしから言わせれば、小暮はなんでそんな実戦的じゃないの着てるのって感じよ」
「小暮はね、仲間が傷ついたらすぐに駆けつけれるように軽いのにしてるの、それにこれ、意外と丈夫なんだよ、ほら」
小暮は自分の服を掴むと破ろうとしてみせた。
「ねっ!」
「ふふ、ほんとね。じゃああたしは、みんなを守るために、少しくらい攻撃を喰らっても大丈夫なようにこれ着てるの」
「さよさんが守りながら攻撃されても、小暮がずっとレスタすれば、ずっと無敵だね」
「そうね、でもそれじゃあたしがずっと痛いわ」
「あ!そっかぁ、う〜ん……、それでもいいじゃん」
え?
「みんな待ってるよ、行こ行こ」
「あ、うん」
小さくてはっきり聞こえなかったけど…、聞き間違いかしら。
「おまたせっ」
「待たせたわね」
「よっしゃ、んじゃ行くかー」
こうしてあたし達はアルテラツゴウグを倒すべくニューデイズへ向かった。