沙夜の哀
□捨てられ鳥君
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俺の名前はアンドレ。
とてもつまらない人生を送っている。
仕事をして帰っては寝て
また仕事をして……
毎日それの繰り返しだ。
もう心なんて捨てている。
何のために生きてるのだろう
何がしたくて生きてきたんだろう
考えても答えが出なくて、めんどくさくなって考えるのを止める。
今日もいつもと同じように仕事へ向かった。
見慣れた風景、見慣れた道
そこにぽつんと、見慣れないものが俺の会社の前に置いてあった。
なんだ?
近づくとそれがビニール袋だと言うことがわかった。
チッ、ゴミを捨てやがって
ビニール袋を拾い上げた時、どこからか声が聞こえた。
「ピャッ!」
!!
ん…、なんだ今の声、どこから…?
「ピャッ、プップー」
どうやらこの袋の中から聞こえるみたいだ。
中を覗き込む。
そこには
小さな鳥がいた
と、鳥!?
なんで鳥が袋に?
鳥を袋から取りだし、守るように手の平で包み中へと入って行った。