暝夢への誘い
□愛情料理 □
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城の調理場に明かりが灯っている。時刻はもう夜中である。
「う〜…駄目だ…。」
「趙雲様!頑張って下さい!」
調理場に趙雲と女官の声が響いている。
趙雲は火に掛けた鍋を見ながら、がっくりと肩を落としている。
「美味く作れない…。」
「頑張りましょう!
馬超様にお夜食を作って差し上げるのでしょう?!」
そう、今趙雲は馬超の夜食を作っている。
最近夜まで執務に追われている馬超は、食事を摂る時間も惜しい様なのだ。
そこで心配した趙雲は馬超の執務を手伝いつつ、夜食を作る事にしたのだ。
「さぁ、また作りましょうか!
お手伝い致しますよ。」
「…貴女まで巻き込んで申し訳ない。ではまずは春巻き。」