頂きモノ
□貴方と私。
1ページ/4ページ
貴方と私が出会ったのは去年の夏。
彼−周助が私に告白してくれた。
それから付き合いだして、早くも1年。
〔貴方と私。〕
「真美。屋上でお弁当食べない?」
お昼時。
周助が私をお昼ご飯を食べようと誘ってきた。断る理由も無いし、嬉しかった。すぐに支度をして2人で屋上へ向かった。
「あれ、今日は誰も居ない…のかな?」
「そうみたいだね。たまには2人きりでもいいじゃない」
「まぁ、たまには、ね」
ちょっと意地悪く言ってみる。
すると周助はクスッと笑って
「ぁ、またそういう事に言うんだ?」
と言った。
周助との時間は楽しい。
そんな風に考えていたのに。
ガチャ、
と屋上のドアが開けられた。
そこに立っていたのは−
「ぁー!不二と真美みーっけ!」
「こ、こら、英二!みーっけじゃない!」
英二と大石だった。
英二はからかうようにニヤニヤした顔をこちらに向けている。
大石はかなり焦っているようだ。
「どうしたの、大石?そんなに慌てなくても良いじゃない」
私は気になったから聴いてみた。
「な、何でもないよ、真美ちゃん。ゴメンね、邪魔しちゃって…」
と私に謝罪を述べてからそろそろと周助に視線を送る。
そこにはいつもより深い笑みの周助が。
さすがの英二も冷や汗たっぷりである。
「ふ、ふーじ、顔が怖いにゃ…!!」
「大石、」
と周助が何かを言う前に
「は、はい!今すぐ英二を連れて出て行きます!」
敬礼してから
「帰るぞ英二!」
「ふぎゃ、不二ゴメンナサイ!」
と2人で急いで出て行った。
バタンと勢い良くドアが閉まった。
「周助、どうしたの2人とも」
「さぁ?何だろうね」
と微笑む周助の顔はどこかいつもの顔では無かった。