捧げ文
□相合い傘
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「最近雨多いよな〜」
「うん…」
外は雨がザーザーと本格的に降っていた。
半田は窓枠に肘をつき「嫌だなー」と不機嫌そうに言う
影野は『雨』で何かを思い出したのか小さく「あっ…」と声を出した
「どうかしたのか?」
と半田がたずねると
「傘…持ってくるの忘れた…」
と、いつもより暗い声で言った
「はぁ?今日の天気予報、降水確率70%だったじゃんか」
「今日、天気予報見てないし…来るときも…降ってなかったから…」
頭はいいのにこう言う所は抜けてるんだな。と思うと笑いが込み上げてきた
「ぷっ、あはは!」
「なっ…何で笑うの…!」
いきなり笑い出した半田に訳がわからずに聞き返した
「いや〜、いつもお前テストで上位にいるくらい頭いいのにこーゆー所は抜けてるんだな〜って思ったからさ」
―まぁ、そう言う所もかわいくて好きなんだけどな―
「うるさいなぁ〜///」
影野は半田の言葉に顔を赤くさせる
「さて、帰るかな」
「うん。この雨だとかなり濡れるかな…」
―明日風邪ひかないといいけど…―
と言うと半田は
「何言ってんだ?恋人をずぶ濡れで帰す訳無いだろ?」
「えっ…でもどうやって…」