無意識下にて抱くもの。

□人、神の如く雲を踏み、
  雲、神の如し。
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何もする気が起きなくて
 暗い曇天を見上げる
流れずに停滞する雲は只そこで
誰かを見守っている

雲の上には何がいるのだろう
雷神か
天使か
猫型ロボットか
巨大機械鳥か
或いは全てがいるのだろう

雲の上に立てたなら
 そのときにはもう
人は人間でないのだろう
それは最早神の領域か

人は自らの住むこの世界を壊し
人間の住みにくい世界にした
全ては雲の上に立つために
全ては空の向こうへ行くために

人は人であるその前に
人間であることを
 忘れることぞなかれ

人は神の子であり
 神の上には立てず
人は知恵の実を食べた
 罪深きもの

人が人として生きたくば
地を踏みしめて走り走り
木々の作りなす実を食べ
只動物として生きるべし

誰かを見守っているのが
 雲ならば
流れずに停滞する雲は只そこで
人を見守る神ではないか
 

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