図書館戦争 二次創作2

□それはきっと
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「教官たち、ここ良いですか?」


柴崎は優雅な笑みを目の前の男性二人に向けた


「どうぞ。柴崎さん、笠原さん」


「失礼します」



隊士食堂は昼時とあって混みあっていた



「いただきます」



女性にしては大目の食事を目の前に郁は手を合わせた。



「ったく。この細い体のどこに吸収されるんだか…」



柴崎は信じられないという眼差しだ。


厳しい訓練のせいか、体質なのかかなりの量を食べているはずの郁の体は細いままだ




「うー。でも、増えないのも悩みなんだよ。押さえつける時には不利だし」



食べていたから揚げを飲み込んで郁が答えた


「ま、適材適所って言葉があるし、笠原さん瞬発力なら誰にも負けないでしょ?」



「…まあ」


少し不満げな表情を浮かべながら郁は頷いた。



「ったく。そんなこと思っている暇あったら事務作業の速度を上げる努力をして欲しいものだな」


「……」


文句を言いたいところだが未だ日報で堂上を待たせる身としてはぐうの音も出ない



「やっぱり食堂のおばちゃんのから揚げ美味しい。柴崎、食べないならそれ頂戴」



「いいわよ」



郁は柴崎のお皿に残っていた卵焼きに手を伸ばした



「ご馳走様でした。あ、同期のこと約束してたんだ。堂上教官、小牧教官。お先失礼しますね」



食べていた食器手にして郁は立ち上がった



返却口へと行く二人を見ながら小牧が口を開いた



「笠原さんてさ、ほんと美味しそうに食べるよね。あんな風な表情されると作りがいやおごりがいがあるんだろうね」



「…俺に振るな」




「おばちゃん。ご馳走様。美味しかった」




「ありがとう。郁ちゃん。午後からも頑張ってね」




「はーい」



「それに笠原さんってさあ、躾が行き届いているっていうか、挨拶とかしっかりしているよね。あの屈託のなさは男女を問わず受けがいいし、攫う時小姑が多いんじゃない?」




「…だから俺に振るな」




小牧の言葉が現実になるのは遠いようで近い未来のお話








The End







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