図書館戦争 二次創作2

□待ち合わせは危険な時間
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絶対に、今日こそ。


トップス、スカート。うん大丈夫。

この間のバーゲンで柴崎が薦めてくれたものだ。

メイクも、大丈夫。

踵の低いパンプスを履いて。


よし。時計が指している時刻は待ち合わせ20分前。


いつも遅刻ギリギリ、堂上教官を待たせちゃっているから今日こそ教官より早く来たかった。


早く時間過ぎないかな。

教官いつもどんな気持ちであたしを待ってくれてるんだろ…


「ねぇ、君一人?」


「へ?」


「さっきから一人で立ってるよね?」


もしかしてナンパってやつ?


まさかー。こんな大女に…


「…あたし人待ってますから」


「そんなこといって。誰も来ないでしょ。それより誕生日いつ?好きなもの何でも送ってあげたいんだけど」


えー。


「ほ、ほんとに人待ってますから」


ぎゅっと手を握られた。…気持ち悪い


「郁」


業務でポカをしたときみたいな少し尖った聞き覚えのある声


「教官」


「コイツになにか用か?」


戦闘職種としての殺気を消そうともしない堂上の空気に、男は捨て台詞を吐いて逃げていった。


「お前、何早く来てるんだ」


「…いつも教官を待たせるのは悪いかなと」


エヘっと笑う郁に堂上は軽く拳骨を落とした


「ちょ、教官、何で殴るんですか」


「…自分の性別を自覚しろ」


堂上の眉間には簡単には戻りそうに無い皺が寄っている


「こんな大女好きって言ってくれるの教官ぐらいです」


「じゃあさっきののは何なんだ?」


「えーっと変な人?」


「じゃ、そんなお前と付き合っている俺はどうなるんだ」


天然過ぎるもの始末に困る。

柴崎とまではいかなくとも、いい加減自分の容姿に自覚を持って欲しいものだ。


「今度からは、遅れて来い」


「えー。上官を待たせるのは…」


「プライベートに上官も部下もあるか!…俺が心配なんだ」


「…わかりました」


真っ赤になりながら頷いた郁の頭を堂上は満足そうに撫でた


The End




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