図書館戦争 二次創作2
□適温調理
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「篤さん。ごめんなさい」
帰宅早々堂上は涙目の新妻に謝られていた
「なんだいきなり。別に今日は大きなヘマはしていないだろ」
何か謝られるようなことをされた覚えはない
「えーっと、今日寒かったからお酒つけようと思ったんだけどどのくらいつけていいかわからなかったの」
「…は?」
なにもそんなことで泣かなくてもと思いつつも可愛い新妻の姿に思わず頬が緩んだ
酒に弱くあまり飲まない上に母親とのわだかまりのせいか両親を避けていた郁だ
父親が飲む光景を見ることも母親を手伝うこともあまりなかったのだろう
「そんなことで泣かなくていい。一緒にすれば良いんだから」
長年の癖で柔らかい髪質の頭をポンと撫でると郁は嬉しそうに笑った
「銚子や状態にもよるが大体熱湯で2〜3分だな。熱燗はもう少しかかるが」
「篤さんはどのくらいが好み?」
部屋着に着替え並んでキッチンにたつ
「そうだな。本当に寒い日は別としてぬる燗だな」
「じゃあ今度からそうするね」
夕飯をテーブルに並べながら郁は頷いた
「出張先とかだと電気ポットにワンカップを突っ込んで呑んだりしたな」
「あー。篤さんもだけど特殊部隊のみんなってお酒好きですよね」
途中で寝落ちすることも多い方だがかなりの酒量が消費されているはずた
「肌で覚える方がいいし、郁もどうだ?」
「…でも」
「家なら寝落ちしようが構わないしな」
「じゃあ一杯だけ。篤さんも飲みすぎないでね」
重ねた唇はほんのりアルコールの香りが薫った
The End