図書館戦争 二次創作

□一口交換のケーキV
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寮の食堂が開く頃、部屋の扉が静かに開けられた。


「おかえり」


「…ただいま。ごめん、起こしちゃった?」


「起きてたからいいわよ」


同室の笠原が1ヶ月、公休4回分もの間、彼女の上官であり、恋人である堂上と喧嘩をし、漸く重い腰を上げて、歩み寄りを見せて仲直りのデート。

朝帰りだったということは間違えなく、仲直りできたということだろう


「ちゃんと仲直りできた?」


「…う、うん」


上手くいったというのにどこかおかしい…追求したいところだが、自分は公休だが、生憎笠原はこれから出勤である。

…この間、話をしていた店に行こうかしら


「笠原、あんた今日、仕事終わったら真っ直ぐ帰ってきなさい。夕食一緒に食べましょう」


「…わかった。いってくるね」


手早く着替えを済ませると、郁は食堂へと向かった。

郁の仕事はほぼ定時に終り、寮に戻って柴崎と夕食を共にした。


「笠原、冷蔵庫にケーキ買ってあるわよ」


部屋に戻ると柴崎はお茶の準備をしながら言った。


「柴崎が?これ、行こうねっていってたお店じゃない」


冷蔵庫をあけると、入っていたのは雑誌で見つけて、柴崎と公休が合ったときにと約束していたお店の箱。


「そうよ。仲直りできたお祝い。好きな方先に選びなさい」


「うー。迷う」


入っていたのは抹茶ムースとフルーツタルト


「一口交換すりゃいいじゃない」


郁は長考の末、フルーツタルトを選んだ



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