worldchange
□こんにちはさようなら私の世界
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気がつくと私は真っ白な部屋にいた。
そこには二つのドアがあった。
なんだろうここは。確か私はさっき車にひかれそうだった弟を突き飛ばして助けて私が・・・死んだ。
じゃあここは死後の世界なのか?
考えていると急にドアが開いて1人の少女と少年が入ってきた。どちらも端正な顔立ちをしていた。
「パッパカパーン。おめでとう、香山紗藍(かやまさら)。あんたはもう一度生きられるチャンスを得たんだよ。」
少年が棒読みで私に言った。どういうこと?生きられるチャンス?意味がわからない。
「どういう意味?それに君たちは誰?」
私が顔をしかめて言うと少年はめんどくさそうに口を開いた。
「あんたはこの女と魂を間違えて入れられたんだよ。だから今元に戻そうとしてるわけ。それで元に戻すためには1度その世界でお互いが死ななきゃいけないいんだよ。そのタイミングが合えば元の体に戻せるんだ。で、あんたとその女はちょうど今タイミングが合って戻れるわけ。わかった?」
いや、そこわかるかわからないかの問題なの!?現実離れした話に私は信じられなかった。
「これ夢じゃないよね?」
「あんたはこれが夢に見えるわけ?現実だよ。あんたは死んだ。それは事実。で、あんたは今から別の世界で生きることができる。それも事実。で、僕はその流れを円滑に進めるためのサポーター。」
頭がぐるぐるしてくる。私は死んで、でも別の世界で生きれる。そこが本当の私の世界。急に言われても気持ちがついていかない。加速して進んでいく事実においてけぼりだ。
混乱していると少女が口を開いた。
「混乱するのも無理ないでしょう。でもわたしは3年間この空間で待ち続けました。あなたが来るのを。あなたに、ずっと、会いたかった。」
少女は私に抱きついてそう言った。
「さあ、もう時間だよ。ここには長くいられない。あんたの話は後で聞くから今は儀式をさっさとすませて。」
少年はそういうと指で円を書いた。すると私と少女の周りに円陣ができた。
「儀式ってどういう・・・!?」
私が少年にそう叫ぶと急に少女が私にキスをした。すると視界が真っ白になって私は意識を失った。
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