‡ZERO‡

Act.10 紅き瞳と白銀の刃
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「な、なんだと………!」

エースは三幹部からの通達を見て、怒りにうち震えた。周りの科学者達が、上司の様子を見て不安げに視線をさ迷わせる。しかし、そんなことにも気づかないほど、エースは取り乱していた。
三幹部の通達には、朱雀に関する情報と見つけたという報告。そして、手出しするなという旨が書き連ねられていた。
それを見て、エースは激しく机を叩く。


「三幹部の腰抜け共が…ッ!私の意見も仰がずどういうつもりだ!」


非常に不本意ではあるが、三幹部の方が地位は上だ。しかし、朱雀の研究が関わる場面で蔑ろにされるのには納得がいかない。
さらに腹立たしいのは、自分が教鞭を奮う学校に朱雀がいたということだ。
エースは唇を噛み締め、低く唸った。


「三幹部、貴様等がそういうつもりなら、私も私の思うまま行動させてもらう」


白衣を纏う部下達が、口を歪めて笑う。
エースはそれに応えるように悠然と言い放った。


「これより、朱雀捕獲の任を下す」








Act.10 紅き瞳と白銀の刃
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