‡ZERO‡

Act.2 Play the Clown
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硬い靴底の感触と、床の感触の板挟み状態に、ホウプは涙をのんで堪えるしかなかった。
団長は紫煙を吐き出すと、煙草の入っていない空き箱を握りつぶした。それは、支えを失い、落下。見事、ホウプの頭に直撃した。


「いいか、ガキ。よく聞きやがれ。セイクレッドっつー町は知ってんな?そこのクソ教会に好事家なクソ神父がいる。居たら仕方ねぇから連れてこい。居ねぇんなら帰ってきやがれ。それが任務だ」

「団長……?その人の事嫌いなんですか……?」


いつも不機嫌そうな団長だが、ここまで個人に対して苛ついている団長を見るのは初めてで、気がついたらそう聞いていた。
団長は鋭利な瞳を細め、ホウプを踏み締めていた足を退けた。


「テメェよりムカつく野郎だ。ZEROの団員だが……油断したら食われるぞ」

「食ッ……!?」


なんという事だ。そう言いたげに、ホウプは目を見開いた。
人食家という事なのだろうか。
ぶるりと、身体を震わすと、団長はあからさまに怪訝そうな表情をした。


「テメェが思ってるような事じゃねぇ」

「でも、食べるって」


今にも泣きだしそうな顔で、ホウプは団長の机に取り縋った。
ふるふると怯える姿は、子犬のように頼りなさげで何故か思い切り踏み潰したくなる。団長は、惑う事なくそれを実行し、ホウプは再び床に張り付いた。


「さっさと行ってきやがれ」

「ふぎゅ………」
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