‡ZERO‡
□Act.3 生き残れ、食糧争奪戦
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「ッ、そんな……!!」
ホウプは愕然としてその場に崩れ落ちた。無力な自分に怒りがつのる。ぎゅっと拳を握りしめるが、所詮それは非力な力でしかない。
身体が小刻みに震える。
「そんな…。もう、駄目なんですか……?」
ぽつり、ぽつりと空が泣き出した。それが、まるで自分の心情を映し出しているようで、虚無感が身体を包んだ。
もう、駄目なんだ。人は過去に帰る力を持ち得ない。だから、どんなに歎いても、全て手遅れでしかない。
泣く空に向かって、ホウプは顔を上げ、叫んだ。
「もう、野菜の特売終わっちゃったんですか――!?」
残念ながら、その問いに答えるものはいない。というか、いても答えたくない。
ZERO
Act.3 生き残れ☆食糧争奪戦