短編

□第1番 未来を予測する最善の方法は、
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運命。そう聞いて連想することはなんだろうか。あるいは必然、あるいは宿命。当然それは人によって異なるだろうし、どれが間違いなどとは言えない。
けれど、分かりやすくいえば、運命とは同じ方法をとれば同じ結果が出るというなんとも簡単なもの。
あいにく、アカシックレコードがどうのカオス理論がどうの言われても分からない。俺は健全なる男子高校生だ。そんなもん知ってるわけないだろ馬鹿野郎。しかし、今のこの状況が過去の因縁から生まれたのは分かりきっている。まあ、所謂運命ってやつだ。
学校の屋上。風の強い日曜日の夕方。真っ赤に染まる世界の中、俺は人を殺した男と一緒にフェンスを乗り越え、落ちた。



事の始まりは、俺が八重桜高校に転校した日から始まる。暑い、夏の日だった。

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