09/13の日記

02:12
※猟奇、カニバリズム注意
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べリアル、ベルゼブブとアダム
カニバリズム・猟奇注意



「止めて…!いやだ、」

いつも澄ました顔をしている神様が狼狽し、懇願して願う悲鳴が耳に心地良い。
たかが人間一人のために、すべてを明け渡す歪んだ完璧な創造神は、神としても人間としても不完全できっと帰る場所など残されていないのだ。だって、大好きな兄にすら恨まれて悪意をぶつけられるのだから。
何にも属せず、還れない。けれど、染まりきらない白は悪魔の嗜虐心を駆り立てる。どうしても、その白を踏み下して同じ場所まで引きずり下ろしてやりたくなる。だって、崇高で純粋な神様は、こちらに片足を突っ込んでしまっている。白と黒の綱渡りだ。脆くて脆弱な、唯一の神様。
グズグズになるくらい白でも黒でもない色を塗りたくってやりたい。そう思いながら、抵抗すら出来ない肢体へもう一度手をかける。首を締めれば鳴く玩具は、やがて身体を震わせ焦点を合わせなくなっていく。
片割れを見れば、同じようにその様を恍惚と見ていた。
そろそろ頃合いだろう。こっちに、堕としてしまえばいい。そうしたら、次はどんな顔で、

「触んじゃねぇよ」

身体が後ろへ吹き飛ばされた。突然のことに咄嗟に身体を翻すが、間に合わずスーツに僅かに泥が跳ねた。
舌打ちしながら見遣れば、そこにはただの人間がいた。その人間は、朱雀を抱き抱え心配そうに頬を拭っている。やがて、朱雀の目蓋がゆるゆると押し上げられた。
その時の表情は、吐き気がするほど穏やかだった。まるで帰る場所が在るかのように、穏やかな。
再び気を失った朱雀を人間は優しげに見詰めると、ゆっくりとその身体を地面へ寝かせた。

「あァ、なんだ。お前、アダムか」

人間の身体から感じる、僅かな力の痕跡。それは、目蓋を閉じた神のもので間違いない。

「所詮、消される存在のくせに随分入れ込んでるじゃねェか」

「お前は裏切られてどんな悲鳴を上げンだろうなァ。楽しみだ」

ゆるりと人間が此方へ顔を向けた。
その顔には、笑みが浮かんでいる。

「もし、そうだとしてもお前らには関係ないよな?」

立ち上がるただの人間の足元には、朱雀が使役していたはずのロンギヌスの姿があった。
人間の笑みがすっと引き、唐突に無表情へと変わる。その様に訳もなく、ぞくりとした。

「だからさ、死ねよ。今此処で」

吐き捨てられた言葉と共に、闇が吹き上がった。




悲鳴が上がる。自分の喉から。
なんで、どうして、こんなことに。たかが、人間に。ただの人間が。
地面に這いつくばって痛みに喘ぐ片割れの口を、容赦なく靴底で踏みにじるコイツは間違いなく人間であるのに。
くぐもった悲鳴は、それでも悲痛さが伝わる。自分と同じ顔をした男が痛みに秩序を保てない様子は、見ていて恐ろしく感覚を狂わせるものだった。
まるでいつもと逆。いつも死者を踏みにじるのは俺で、踏みにじられるのは人間。それは絶対に変わることはないはずなのに。
倒れる片割れの手を人間は無理矢理引き上げた。
足元に停滞する闇を片手にとると、闇は鋭く細い針のようなものに姿を変える。

「人間は、こういう一見地味に見える拷問が辛かったりするんだけどな」

人間は、ぐっと持ち上げた手の爪へ針を近づける。

「お前らはどうなんだろうな?」

つんざく悲鳴に耳を塞いでしまいたくなった。
よく見えないが、爪と肉の間に針を刺されたらしい。人間は、悲鳴をあげる片割れを見て無表情のまま針を動かし続ける。吹き出る血が辺りを濡らした。
人間は暫くそれを動かしていたが、やがてそれを垂直に立てて無理矢理爪を剥がすとため息を吐いた。
そして、何か思案するようにふと目を伏せると次の瞬間笑みを浮かべた。

「手ぇ疲れた。お前さ、これ自分でやれよ。見ててやるから」

いやだ、無理だと片割れは泣き叫ぶ。
それを見ていた人間は、針を片割れの爪に再び刺した。

「なぁ、抵抗した程度で赦されると思ってんのかよ、」

人間は笑う。
なんなら、じぶんのゆびくわせてやろうか。はぁ、それもいやとかわがままだとおもわねぇの。すざくもいっただろ、やめてくれって。じぶんたちだけゆるされようとかむしがよすぎるよなぁ。でも、あいつをまもれなかったおれにもせきにんはあるか。はは、いいことおもいついた。おまえらのきったねぇにくそぎとっておれがたべてやるよ。これでびょうどうだろ。は、やりたいんならじぶんのにくくってからにしろって。じゃあ、やったらおまえらもやれよ、じぶんで。おれはてなんかかしてやらないからな。ずいぶん、よゆうだな。ああ、できないとおもってんのか。はは。

「出来るぜ、それくらい」

飛び散る血に、霧散しかけていた意識が戻る。靄がかかったようだった人間の声がよく聞こえる。
自らの指先を噛みちぎった人間は、真っ赤な口を不味そうにぬぐった。

「不味、」

ああ、ああ。
駄目だイカれてる、コイツ。自分の指を、
人間は笑う。
今はそれがひどく恐ろしかった。

「じゃあ、次は」

お前らの番な。






昔のが大分病んでるアダムさん。
今は余裕と世渡りを身に付けました。結果、ただのSに。
これ絶対本編にはいれられない\(^q^)/
ただ、ぐろい。
犯罪者だよ、こいつただの。
きっと、ルシさんが止めに来てくれる。
「ちょおっ!?なにやってんの、アダムくん!」みたいな感じで。
朱雀んとこのアダムが天界と冥界のトラウマすぎる…。
ごっめーん☆ついぶっころしちゃった☆てへぺろぉっ☆
笑い事じゃない!

純文学ってカニバリズムだのなんだの多いですよね。倒錯的というか。
規制いれていいレベルのエログロとかあって、たまに「ひぃぃぃ!」ってなります。
せめて注意書きをくれ。

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