02/27の日記

16:02
Hypoxyphilia※R-15程度のほも
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ハイポクシフィリア(窒息性愛) 首絞めやビニール袋などを用いた低酸素症や窒息行為への性的嗜好。アスフィクシオフィリアや エロティック・アスフィケーションとも言う。英 語:Hypoxyphilia または Asphixiophilia、Erotic asphyxiation

ルシファーとヨルムンガンド
性倒錯気味な悪友に付き合う悪魔さん
性表現有りのため15禁程度



首の両側にある頸動脈を一気に圧迫する。びくりと震えだした肢体を冷めた目で見つめた。
身体の上に跨がって、真っ白な髪色をした男の首を締め上げる。端からみたら、まるで俺が好き好んで男を窒息させようとしているように見えるだろう。
だけど、残念ながらそうではない。
これはただの協力。悪友である男が強請ってきたから行われる行為だ。
この男の悪癖を知っている者なら、懇願し泣きつかれても男の首を締めるなんてしたくないだろう。実際、交流がなければ無頓着な自分でさえ申し出を断っていたことは容易に想像できる。
しかし、ここで問題になるのは男の悪癖を知らない者が天界にいないということだ。ならばと地上に降りてみても、人間に近いけれど人間とは決定的に違う身体は、その構成上とても死ににくくなっていて、窒息するためには長い時間が必要になる。そのせいで、大概の人間は締め上げている途中に恐怖し、その手を離してしまう。
だからと眼下の悪友は、自分に頼み込んできたのだ。
仮にも親友(言っててゾッとした)に性的な頼み事するとか正気の沙汰じゃない。そう思ったものの、それこそ親友のよしみで断りきれなかった自分が悪い、たぶん。
幾度目かの行為になると、幾分勝手が分かってきた。
痙攣を繰り返す男の腹に座っていた身体を浮かすと同時に、首から手を離す。
男が気持ち悪い声を上げながら、身体を跳ねさせた。しばらくすると先ほどまで腰を降ろしていた付近が湿って、濃く色づいていく。俺はそれを見て、本気で頭を抱えたくなった。

「あのさ、マジでそれでイける訳?」

冷めた口調で呆れたように問うと、真っ白な髪の隙間から覗く瞳が蛇のように細められた。

「知らないの、ルシ。低酸素症から引き起こされる快楽って、薬物と同程度なんだよ」

「いや、そういう生理的なことじゃなくてさ」

特に好みでもない相手、しかも悪友に首絞められて恥もなく高まるって俺からしたら信じらんないレベルだけれど、荒く息を繰り返す男と自分は違った倫理観の中生きているらしい。
ヨルムンガンドは、くすくす笑いながら身体を起こした。口の端から垂れた涎を拭い、髪を整えれば、そこそこ整った顔のお帰りだ。これなのに男が好きで変態とか、世の中不条理すぎやしないか。
そう言えば、男は「ルシだって見れない顔じゃないよ」などと宣ってきたが、そういうわけではなく。

「お前、そういうのでしかイけないわけ? 普段どんな性生活送ってんのか怖い」

「んなわけないじゃん。絞め上げる方だって好きだよ。でもさ、ルシは生粋のSだから仕方なく毎回絞められてるワケ」

「え、なにその俺が悪いみたいな言い方。俺、人の首絞めて喜ぶ趣味なんかないんだけど」

今だって実際、下半身は静かなものだ。朱雀と天使の契約を見た時は、あまりの高揚に中々落ち着かずに困ったくらいなので、別に俺が不能なわけでもない。
そういえば、ヨルムンガンドはからからと笑った。蛇みたいな笑い方だと思ったが、よく考えなくともこの男はミズガルズの大蛇だった。神聖で神と同一視される白い蛇を模した姿は、最高神に喧嘩を売っているとしか思えない。
目の前の男は性倒錯気味な悪友である前に、好事家で悪意溢れる魔物だ。
事実、此方へ伸びた男の指が腹から下へ滑り落ちた瞬間背筋に得体の知れないほの暗いものが走った。

「嘘つき」

男は何の反応もしていないそれに布越しに触れる。

「今反応しないのは相手が俺だからだよ。想像してみてよ、ルシの好きな人」

頭の中で見慣れた顔が此方へ向かって微笑み、ゆっくりと床へ寝転んだ。その白い喉がいやに目を焼く。

「ね、いつも俺にやってるみたいにやってよ」

声に誘われるように空想の中、そっと首に指を這わせた。ぴくりと震える四肢を愛しいと思った瞬間、その首に思いきり指を絡めて圧迫した。
苦しさに無意識に暴れる肢体を押さえ込んで、空気を求めて開けられた口を見つめて。流れる涙と溢れる苦しげな声。そして、死と生の狭間まで追い込んで、手を離す。びくりと跳ねた身体を恍惚と、眺めた、

「ルシ、ちょっと…。うわぁ、最悪」

萎えた声に現実に引き戻される。
下部に添えていた手を、ヨルムンガンドが嫌そうに拭っていた。
それを見て、血の気が引く。
いやいやちょっと待って、俺そんな性癖あったっけ。いやいやいやいや。

「ミドガルズ…。俺、今すげぇ死にたいんだけど」

「なにその自慰覚えたての青少年みたいな感想。キモいよ?」

知りたくなかった。知りたくなかったさ、こんな性癖。
サディストな性倒錯。想像で相手を穢したような背徳感にさえぞくぞくしている。
今まで結構な人数にサディストだと罵られてきたが、すべて否定してきた。全員に謝りたい。俺はどうやらサディストなようデス。
ヨルムンガンドが楽しげに此方によって来た。
今、相手できるような精神状態じゃないからほっといて。
そんな俺の主張を無視して、ヨルムンガンドは俺にそっと耳打ちする。

「ルシの好きな人って『  』でしょ?」

そうだよ。悪かったよ。
先ほどまで頭の中で穢していた相手の名前に、俺の精神はさらに抉られる。

「ね、一緒に二人でさ『  』を犯してみない?」

今日、ご飯食べにいかない?
それくらい軽いノリで言われた言葉にフリーズする。
何を言ってる?
しかし、ヨルムンガンドは至極真面目な顔で俺の耳に言葉を吹き込む。

「俺もたまには攻めたいんだよね。ね、いいじゃん。きっとルシなら、許してもらえるよ」

くらくら、くらくら。
その醜悪な言葉に理性が食い殺される。
傍にいる男は魔物だ。人を誑かし、引きずり落とす悪魔よりもたちの悪い。
許して、もらえるよ。ルシなら。
俺なら、そうかもしれない。俺なら、アイツは許してくれるかもしれない。
そう思えば、差し出された選択肢がとても甘美なものに見えた。
ねぇ、と魔物は笑う。

「今から、行こうよ」

魔物の誘いに、俺は、






誰か逃げて。超逃げて。
アダルトなビデオを見ながら書いてたせいか、文章が支離滅裂。しかし、見直さない精神。
アンケートでBLに入ってたので書いてみましたが、これBL……?
多分、ルシさんの相手が男なんだ。そうだ、そうしよう。
CPとしての絡みなさそうな二人を抜擢した時点で詰んでいたのかもしれない。
ネタにつまると性倒錯シリーズに逃げる最近の私。

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