04/28の日記

09:44
アダムとルシで戦闘
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冗談、だろ。
適当に気絶させて地上に帰すつもりだったのに。相手は本気で此方を殺そうとしている。仮にも冥界の管理者達を相手にしているというのに、その双眸は怯むどころか何の感情も見いだせない。
初めて会った時も不完全な子供だと思った。けれど、それだけじゃない。悪魔であるはずの自分より余程恐ろしい。コイツは、微塵も他人を信用しちゃいない。
足元から大鎌の刃が突き抜ける。寸の所で躱すが、目の前で黒い闇がねじまがった。
目を見開くのがやっとだった。次の瞬間には棍のようなもので身体を地面に叩きつけられた。鎌のまま振りかぶらなかったのは慈悲でもなんでもなく、あの距離では抜けないと判断したからだろう。
ぞくりとした。
大人の姿をしていても、本来はまだ幼い子供だ。もし、そのまま成長したとしたら何れ程残酷な人間になるのだろう。
姫様が「殺せ」と命じた理由も今なら分かる気がした。コイツは、ほんとにヤバい。本気でやらなければ殺されるのは此方だ。
ルシファーは、ヘルに抱かれている朱雀を見遣る。蒼白な顔に未だ血の気は戻らない。ベルゼブブとべリアルに随分手酷くやられたらしい。
舌打ちをしたくなりながらも、ルシファーは背中の羽を伸ばした。身体を這うように彫られた蛇の刺青が顔をあげる。真っ黒な大蛇を身体に纏わせながら、ルシファーはアダムを見据えた。
彼方は少なくとも管理者二人と交戦した後だ。勝てなければおかしい。そう思うのに何故か目の前の脆弱な人間が恐ろしかった。
朱雀は、あの子供にどれだけのモノを与えてしまったのか。あの子供の力は神そのものだ。
ルシファーは、吐き出した息がやけに短いことに気がついた。
大蛇の爛々と光る目を見ても怖じ気づかない子供は、掴んでいた棍を徐に地面に投げ捨てた。地面につく前に、棍は闇のように姿を変える。
ふいにその闇を切り裂くように、何かがアダムの手に握られた。古ぼけた造形を成すそれを見て、ルシファーは目を見開く。
アダムは、驚くルシファーを見て口角をつりあげると、開いた本をゆっくりと闇へ落とした。その瞬間、まるで堅牢な砦の如く足元の闇から幾つもの武器が形作られる。地面に半分突き刺さった武器の中から、アダムは槍を抜き取った。
ロンギヌスの槍。あの闇の本来の姿。
嫌な予感を感じながらも、ルシファーは控えている大蛇をアダムへ向かわせた。
アダムは予想通り、口を開き全てを呑み込もうとする大蛇を躱す。大蛇に気をとられ、回避行動に移る隙を付いたルシファーは、飛び上がったアダムの懐へ入り込む。そしてそのまま、短刀を肩から腹へ向かって降りおろした。
飛び散る血飛沫が髪を濡らし、アダムは呻き声をあげると力無く項垂れた。
ルシファーは、せめて死体が地面に叩きつけられないようにと手を伸ばした。その手を何かがひき止める。
ぼたりと顔に血が降る。見上げた先にある事実が信じられず、ルシファーは思わず放心してしまう。
アダムが、血を吐きながら笑っている。

「捕まえた」

にっこりと子供らしい笑みで笑うアダムを見て、ルシファーは本気で戦慄した。慌てて手を引こうとするが、絡み付いたベルトのような物に阻まれる。
剛健なる拘束、グレイプニル。
そして、先程までロンギヌスが握られていたはずのアダムの右手には剣が握られていた。
それを見遣り、ルシファーは朱雀が何れ程の力を与えたのか知る。
精霊王の加護、エクスカリバー。
アダムの傷を癒しているのは、精霊王の加護を受けた剣の鞘だ。

「神々の武器全てを模倣してるのか」



途中で飽きました(・ω・)●●

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