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□一日体験入学
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朝8時20分頃ーーークロ高職員室にて、来客用ソファーにはA組担任ゼムナスと6人の制服姿の男女が向かい合って座っていた。正確には男が一人、女が5人というバランスが悪い組み合わせなのだが、それはさておき、この6人、今日は一日体験入学としてやって来たのだ
ゼム「…というわけだ、お前達6人は今日私のクラスで過ごしてもらう」
セイ「…おいアイシー、なんだこの上から目線野郎は。ムカつくんだけど」
アイ「当たり前でしょ、先生なんだから」
短い金髪で口悪い少女ーーーセイレーンを、恐らく彼女と同年代くらいの少女ーーーアイシーがなだめる
それからゼムナスはため息を吐いて告げる
ゼム「…にしても貴様ら……制服自由に着過ぎだバカ者共。体験入学とはいえクロ高ナメておるのか」
ユリ「えっ、ちょ私はセーフでしょ!!」
ハク「私も普通の格好で来たつもりなのですが…」
ラシ「俺もセーフだろ!!ギリで!!!」
ちなみに彼らの格好を紹介すると、肩までの金髪を下ろした少女ーーーユリと、目にマテリアを埋め込んであるという少女ーーーハクアは、格好こそ普通だがユリは大きな鍵ペンダントをしてたり、ハクアは黒手袋してたりと微妙にかすってる。
それからこの中で唯一の男子である、黒い髪の少年ーーーラシアは制服着崩してアクセサリーが多く、一見不良だ
そこへスカートの下にジャージ着用のセイレーンが腕を組んでラシアを見た
セイ「ぷっ…怒られてやんの。そんなん校則違反に決まってんじゃねぇかバーカ」
ラシ「テメェのジャージはどうなんだよ」
アイ「セイレーンだから言ったじゃない、ジャージは多分ダメだって。校則違反って言われても仕方ないわ」
ギン「お前もだろラシア。何なんだよお前、ジャラジャラ色々つけやがって…何目指してんだよ」
そう言って呆れるアイシーは制服の上に青いマントを着用し、銀髪を赤い髪紐でポニーテールにした女ーーーギンはスカートがやたら長く、一昔前のスケバン風の格好だった
セイ&ラシ
「いやお前らもだろうがよ!!!」
校則ガン無視組のギンとアイシーに、セイレーンとラシアは同時にツッコミを入れた。
ラシ「こっちが教えてくれ、お前が何を目指してんだよ!!!何でスケバン!?」
ギン「かっこいいじゃねぇかよ、昔の流行りを私がぶりかえしてやるぜ!!」
ユリ「頼むからやめてくれない」
ハク「アイシーは…もしかしてヒーローとか目指してるの?」
アイ「目指すわけないでしょ。だ、だってこれは私の民族の象徴なのよ?着けてないと落ち着かないわ」
セイ「あ、じゃあ俺もこれ民族の象徴ってことでオッケ!!」
アイ「ジャージが象徴の風の民に同情するわ」
すると、すっかり置いてきぼりにされたゼムナスがわざとらしく咳払いをした。
ゼム「…お前たちの気持ちはわかった。ジャージが象徴なら仕方ない、許そう」
セイ「よっしゃあ!!」
ユリ「それでいいのかな…」
ゼム「…そろそろHRの時間だ。では我がクラスへ案内しよう。ちなみにムシキ●グに興味のある者は残っt「よし、行くかみんな」
ギンの言葉にゼムナス以外が頷き、立ち上がった。ゼムナスは、ちょっと泣きそうになりながらA組教室へ案内したのだった。
by美鈴
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