Torn One Page〜DDFF〜
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誰にも語られない物語があった
結末に影響しなくとも、確かにあったんだ
誰も、登場人物達すらわからない物語だったけど
私だけは覚えているよ
みんながそこにいた
Torn One page
(それは破れた小説の1ページのよう)
「はぁ……」
目の前をズバッ、とギミックが作動する。ここはパンデモニウム
その一角に金色の鎧を全身に纏う皇帝、赤い服を着た銀髪の魔女アルティミシア
そして皇帝の罠にかかった金髪に茶が混ざった髪を持つ女―――ユリが雷の牢屋に入っていた
「あら、浮かない顔ですね」
「…捕まってるんだから当然だよ、いい加減出して」
「せっかくの餌をみすみす逃す理由は無い」
ユリは雷に触れてみるが、バチッと弾かれため息を吐く
…つい先程、このパンデモニウムで調べ物をしている時に迂闊にも罠にかかったのだ。私としたことが……と、もう何度落ち込んでいるか
すると皇帝が高慢な態度でこちらを向いた
「キリノは貴様らが持っているのだろう?」
「だから持ってないって!!私達だって探してるのに」
「フン、どうだか…」
言い返すが、皇帝は鼻を鳴らして笑うだけだ、ユリは眉を下げて睨む
「あんた達は、キリノを見つけてどうする気なの?」
ユリは座り込んで質問すると、今度はアルティミシアが口を開いた
「キリノ…"召喚するもの"
または"異なる世界の記憶を持つもの"
この2つの力を持つキリノという物に興味が沸きましてね
これがあれば、私達はこの戦いに勝利し続ける事が出来る」
「"召喚するもの"…?」
「恐らく召喚石…とコスモスの連中は言っている」
皇帝の言葉を受け、ユリはキリノ…と口の中で反復する。
キリノは私がここに来た理由だった。彼らだけではなく、私達もキリノを探しているから
ここにも無いみたいだから、結局むだ足だったけど。そのうえ捕まるなんて失態…はぁ。
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