Torn One Page〜DDFF〜
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「それにしても遅いですね、本当にあなたの仲間は来るのですか?」
「私に聞かないでよ」
「そう急ぐなアルティミシア、来てもらわなければ困る、何のための餌だ」
皇帝が宙で足を組み頬杖をついてそう言った、その時……
「はーはっはっはー!!!そこまでだ悪党め!!!」
「「!!!」」
上から誰かの高笑いに皇帝とアルティミシアは反応し、構える
声の主がわかってしまったユリは、思わず半眼になった
「お前ら悪党は正義のヒーローギン様が地獄に堕としてやるぜ!!!」
「正義のヒーローは地獄に堕とすとか言わないよ」
バーンとかっこよく台詞とポーズを決めて堂々と登場したのは銀髪のポニーテールに白い着物を着た女―――ギンだ
ユリはため息を吐きながら緩くツッコミを入れた
「来ましたね、さぁ私達にキリノを……!!」
パァン、とどこからか飛んできた小さなナイフをアルティミシアは魔法で弾く
「ギン…あなたさっきの作戦まったく聞いてないでしょう」
ナイフを投げた方向から現れた赤い夕日色の尻尾髪を背に垂らし、前髪で右目を隠した青年―――レイヴェルは眉を寄せてギンの隣に立つ
ついでにスパンと一発ギンの頭に平手打ちを入れた
「いって…」
「助けに来ましたよユリ、もう安心です
今すぐ蜂の巣にしてやるので」
「ふっ、このギン様が地の果てまでぶっ飛ばしてやるぜ」
「全然安心出来ないんだけど」
妙に殺意漲るギンとレイヴェルに嫌な予感しかしないユリは冷や汗をかく
「ナメられたものですね」
「虫けらがいい気になるな」
皇帝は玉杖を掲げ、アルティミシアは魔法を出す構えで見据え、向こうも戦闘態勢に入った
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