Torn One Page〜DDFF〜
□Page2 探索
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…というわけで、しばらくして出発準備を整えた5人は、二手に分かれて行動していた。
昨日言っていた、キリノについてコスモスのところへ行く聞き込みチームと、ひずみでキリノを探す探索チームである
前者のコスモスチームはユリとギンが向かっていった
「もしもーし、お邪魔しまーす」
「ちょ、ちょっとギン早い!!」
コスモス軍ベースキャンプの天幕に遠慮なく手をかけ、ひょいと顔を覗かせるとテント内には3人いた
「お前たち!!」
「よっ、久しぶり!!」
驚いた顔をするフリオニールに友好的に手を振るバッツ、そしてウォルことウォーリア・オブ・ライトは何かに集中しているようでこちらに目を向けない
ちなみに3人は繕い物の途中なのか、周りにはマントやら裁縫道具が散らばっていた
「何?裁縫?」
「あぁ、ウォルに教えてるんだけど…」
フリオニールが苦い顔でウォルを見ると、彼は縫い針を指に刺してしまっていた
「くっ…また刺さった…!!」
悔しそうな顔のウォルを、ユリが心配そうに手元を覗き込んだ。左手指に無数の絆創膏を貼っているが…全部繕い物で出来たのだろうか?
「ウォル…大丈夫?」
「すまない、今話し掛けられるとマントを引き裂いてしまいそうになるから静かにしてくれ」
「何それ、繕い物でストレス溜まってるの?」
あまりにも痛々しいので、ユリはウォルにケアルをかけてあげた。
隣にいたギンはふとした疑問を口にした
「つーか…何で繕い物してんだ?」
「そろそろマントだとかがボロボロになってきたからな、修復しないと」
「そうそう、フリオニールが余った布でマスコット作ったんだ、ガーランドとか」
「他にチョイスなかったのか?お前なんでよりによってあのオッサンなんだよ」
バッツの差し出すマスコットは確かにあの鎧着たいかついオッサンだ。くれるらしいので一応もらっておく
ユリはあっ、と突然何か思い出したように顔を上げた
「そういえばギン!!コスモスのこと!!」
「おおそうそう、私らコスモスに小麦粉譲ってもらおうと…」
「そう、クッキーの材料を……って違う!!キリノのこと!!」
思わずノリツッコミをしてしまったユリは恥ずかしいのか頬を染めた
「あぁ召喚石だろ?コスモスもあまり知らないと思うけどなぁ…
ま、暇だし俺が案内するよ」
バッツが立ち上がり、手にしていた布と針を片付けてユリ達とテントを出たのだった
そして後ろでは、またウォルが針を指に刺していたのだった
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