Torn One Page〜DDFF〜
□Page4 信頼
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"裏切りはお前の十八番だろう"
皇帝は僕にこう言った。
そうだ、僕はこの世界で仲間を裏切った。
…僕が、誰かを信じることが怖かったからだ
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「ふわ〜…ん?」
日が登り始めた早朝、ギンはいつも通り早起きして外に出る。するとそれよりも早く起きていたらしいレイヴェルが朝ごはんを作っていた。
「よっ、朝飯番ご苦労さん」
「おはようございますギン、今日も早いですね」
卵焼きを皿に乗せてギンに手渡し、自分も座って食べ始めた。
「ん〜、なかなか美味いな。レイヴェルって料理すんのか?」
「そう、ですね。何年か一人で過ごしてきたから…そこそこです」
「ふ〜ん、じゃ私と似たようなもんか」
食べながら呟くギンの言葉に、レイヴェルは目を瞬かせた。
「ギン、元の世界のこと思い出したんですか?」
「前に言ったろ?世界のよろず屋ギンって呼ばれてたって」
「いや、それイマイチ信用出来ないんですけど。本当ですか?」
レイヴェルは訝しげに眉を寄せて、自分の卵焼きを平らげた。
「さて、今日は僕単独で行動させてもらいますね」
「え?何でだよ。一人なんて危ねぇだろ」
「ちょっと確認しなきゃならない事があるんです。大丈夫、なるべくカオス軍やイミテーションと戦わないようにしますから」
「ちょ、おい…」
そう言うと、レイヴェルは食器を洗い場に置いてさっさと行ってしまった。
「……………」
一人取り残されたギンは、しばらくその背中を見つめると、卵焼きを一口で平らげ、ラシアの眠るテントに向かった。
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