Torn One Page〜DDFF〜
□Page5 モーグリ
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まだ昼にもなっていない朝ーーーベースから少し離れた草原にて、ユリとギンは、ジタン、スコール、バッツとタッグ戦をやっていた。ユリ、ギンVSスコール、バッツである
ジタンはギンと戦うのが超絶怖いらしく、少し離れたところで見ていた。
「うるァァァァァ!!!」
「あっ、ちょっと!!!」
ユリの声かけが聞こえず、ギンは大剣振り上げて、バッツへと突っ込む。バッツはニヤッと笑うと宙に跳んでホーリーを撃った。ギンはそれを大剣で防ぐが、その隙に接近したスコールが、フェイテッドサークルを発動させた
「げっ…」
「ギン!!!」
ユリは風の力を操り、自身のスピードを上げてギンの体をかっさらい、間一髪で避けることが出来た。
「…ちっ」
「ははは、ドンマイ」
舌打ちするスコールの肩を、隣に着地したバッツが笑いながら叩く。少し離れた位置でユリが眉を下げてギンを見上げる
「…もう、また一人で走って!!これじゃさっきと同じだよ」
「あー悪い……うーん、どうも上手くいかねぇなぁ」
ギンは難しい顔で頭を掻いた。どうもギンはタッグ戦が苦手らしく、今回特訓として組んだ対戦だったのだ。恐らく私達の中で一番強いであろうギンは、個人プレー派らしい。しかし協力プレーだって出来ないと、いくら強くたってイミテーションにやられてしまう。
「よっし、もう一回!!」
「次は慎重にね」
改めて武器を構え直して仕切り直した、その時ーーー
「おーい!!!」
見学していたジタンが、突然手を振って走ってきた。気合いが削がれてしまい、ギンは不機嫌顔をジタンに向ける
「てめぇ猿コノヤロー、空気読めよお前!!!どうした、トイレか?」
「違うわ、そうじゃなくて……」
ジタンの差し出す両手を見ると……そこには他と比べて一回り小さいモーグリがいた。
「ク〜……」
「えっ、と……モーグリ?どうしたのこの子」
ユリはモーグリの目線にしゃがんで頭を撫でる。ジタンは首を傾げて問いに答える
「…なんか、迷子っぽい」
というわけで、迷子モーグリを置いていくわけにも行かず、とりあえずラシア達が待つベースキャンプに連れてきたのだった。
「…つーわけなんだけど、どうする?」
「ウチで飼いましょう、僕が世話します」
「えらく生き生きし始めたよこいつ」
レイヴェルは暇潰しに披露していたジャグリングを止めて、モーグリに素早く近寄り頭を撫でくり回した。ナナミもテンションが上がり「賛成さんせー!!」と満面の笑み。ラシアは口元に手を当ててモーグリを見る。
「…でもよ、こいつ迷子なんだろ?こいつの親とか探した方がいいんじゃねーか?」
「あ、なら俺ポスター作るよ。迷子ポスター」
「…貼るところが無いだろ」
「いや、次元城とか貼り放題だぜ」
「エクスデスに怒られそう……」
バッツの提案をスコールとユリは微妙な顔で首を傾げた。
「…まぁ、とにかくよ。俺達もこいつを知ってるやついないか探すからさ、それまで預かっててくれないか?」
「まぁいいけどよ……」
ジタンの言葉にラシアは頷くが、ひとつ疑問があったので聞いてみた
「お前らんとこはダメなのか?ここに連れてきたってことは」
「あぁ、実は……ティナちゃんが……」
「モーグリ見たら多分ずっとふかふかするからさ、そうなったらそいつ可哀想だから」
「いや、ここにも危ない奴がいるけど」
ギンはモーグリを撫で回したりと構いまくってるレイヴェルを一瞥して言った。バッツは特に気にせずカラッと笑う
「まぁ頼むぜ、俺達も親探しするからさ」
そういい残して、バッツ、スコール、ジタンはこの場を去ったのだった
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