Torn One Page〜DDFF〜
□Page7 恨み
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「ギンが居なくなっただって!?」
あの劇から2日……コスモスのベースキャンプにやってきたユリとナナミに聞かされた事実にジタンは立ち上がる
「やっぱりジタンも知らないんだね…」
「あぁーもーギンのバカー!!一人旅は似合わないって言ったのにー!!」
残念そうに顔を伏せるユリに、頭を抱えて仰け反るナナミ。ジタンは不安な気持ちをぐっ、と堪えてユリを見た
「わかった、俺も手伝うよ。」
「ちょっと待って、ジタン」
走り出そうとするジタンをユリは呼び止める。ジタンは足を止めて振り返った
「その前に聞かせて。ジタン、ギンのことで何か隠してるよね?」
「………………」
ユリの問いかけに一瞬言葉を詰まらせる。ジタンは少し顔を伏せる
「…ギン、前の戦いの時、一人でケフカのところに行って消滅しちまったんだ。」
「?ジタンってば、前の戦いのこととか覚えてるの?」
「ぼんやりとしか思い出せないけどな。でも、ギンがそうだったことは覚えてる」
仲間が一人やられちまって、だから許せなくて、ギンは一人でケフカに挑んだ。でもそれも罠で……
「…あいつ、鬼みたいだった」
「くそっ、どこにもいねーな」
ユリ達がジタンのところに向かった一方、ラシアとレイヴェルはギンを探すべく、ベースキャンプから少し離れた場所を調べていた。
ラシアは舌打ちして周りを見回し、レイヴェルは少し考え込む
「…そういえば演劇の時、ギンの様子が少しおかしかったですね。何か思い出したのかも…」
「だとしても、一人で行くなんてあのバカが。…とにかく探すぞ」
「そうはさせん」
「「!!」」
突如足元に魔方陣が浮かび上がり、爆発が起こった。ラシアはとっさにシェルをかけ、防御する。
「あの女は我々がもらい受ける」
「…またあなたですか、皇帝」
土埃が晴れた頃、杖を片手に持った皇帝の姿が見えた。ラシアはガンブレードを抜いて構える
「ギンを手に入れるって?あいつ手に入れてもいいことないぜ。あんな勝手に飯食うわ物壊すわの自称ヒーロー女。それよりもお前はメイド雇え」
「今でも一人でパンデモニウムの床掃除やってるそうですね」
「その事については何も言うな。…あの女の力は使える。素晴らしい道具になり得る力だ」
皇帝の言葉に、レイヴェルは少し目を細めた
「あなたの目的はキリノだと思いましたが?」
「もちろん。キリノもいずれ我が手中に収めてみせる」
「…随分力を集めているようですが、あなたはケフカと世界征服でもするつもりですか?」
「あいつはただギンを手に入れるために、利用しているだけだ。手を組んだ覚えはない。」
「…なるほど、やはりケフカですか」
「!!」
皇帝はケフカと共謀していたことを明かしてしまう。一瞬目を丸くした後、次第に怒りで顔を歪めた。
「貴様…っ!!」
「つーことは、ギンはケフカんとこにいるかもな」
「あの男もギンを狙っていたようでした。急ぎましょう、手遅れになります」
再び走り出そうとする。しかし…皇帝がそれを許さず、魔法弾に行く手を遮られる。
「…くっ」
「この先にはいかせん」
「…レイヴェル」
二人は互いに目を合わせる。ラシアの言うことを察したレイヴェルは軽く頷いた。
「ファイガ!!!」
「!!」
ラシアの放った炎を皇帝はガードする。爆煙からガンブレードを構えたラシアが現れ、振り下ろされる。
それを避け、その際に杖から爆弾を出現させるがガンブレードの腹でガードされる
「…逃がしたか」
そこにはラシア一人しかおらず、レイヴェルはギンの事を伝えるため、既にユリ達の元へ向かっておりどこにもいなかった。
囮を引き受けたラシアは、ニヤッと笑って再びガンブレードを向ける。
「お前らの思い通りにはさせねーよ。ギンは返してもらうぜ!!」
ラシアはガンブレードを強く握り直し、皇帝へと向かっていったのだった
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