Torn One Page〜DDFF〜
□Page7 恨み
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「いーーやーー!!!」
コスモスのベースを出たあと、ギンを探しに外に出た途端イミテーションの大軍に囲まれてしまう。
そしてナナミは半泣きで偽りの勇者から逃げていた
「まったく……」
ユリはため息を吐いて、ナナミを追いかける勇者をダガーナイフで砕いた。ナナミはほっと胸を撫で下ろす
「ナナ、しっかり!!」
「お前ほんとビビりだよな〜」
「だってだって!!ナナちゃんほとんど一般人だよ!!?普通の可愛いか弱き乙女だよ!!!あんな剣持った勇者とか怖いじゃん!!
ナナはジタンみたいに猿パワー発揮とかできないんだからね!!?」
「俺もそんなもん発揮した覚えはねぇよ」
ジタンにツッコミを入れられる。その時、新たに現れたナナミの姿をしたイミテーションーーーうたたかの異端者が襲いかかってきた
「わわ!!……っと、えい!!!」
ナナミは攻撃を避けて、チャクラムを放つ。チャクラムを顔面に受けた異端者は砕け散った。
「ふぅ……ナナなら怖くないんだけどなぁ」
「皆さん!!無事ですか!!?」
声のする方に視線を向けると、レイヴェルがイミテーションにナイフを飛ばしながら走ってきた。
ユリとジタンは駆け寄る
「あれ、ラシアは?」
「皇帝を任せてきました。彼なら大丈夫でしょう。それよりギンのことですが、どうやらケフカが一枚噛んでいるようです」
イミテーションと応戦しながら、早口で説明する。それを聞いてジタンは苦虫を噛み潰したような顔をした。
「あいつ……まさか仇を討つ気か」
「そんな!!一人でなんて無茶だよ!!」
「…ユリ、あそこですが」
「うん、一番手薄だね。……ジタン」
ユリはレイヴェルからジタンへと向き返り、すっと遠くを指差した
「私が、あそこに風を送る。だからそれに乗ってギンの元に行って」
「僕が突破口を開きます。それとナナ、あなたも行ってください。ここは危険です」
「え…でも、そうしたら二人が!!」
ジタンが言い返そうとするが、ユリは微笑んだ。
「大丈夫、ジタンがギンを呼んできてくれれば。それに、ジタンはギンの相棒なんでしょ?だったら助けに行ってあげてよ」
「ユリ……」
「…そ、それに二人じゃないよ!!!ナナも…いるし」
口を強く結び、両拳を作って言ったナナミは不安そうな顔で言った。そんな様子にレイヴェルは眉間にしわを寄せる。
「大丈夫ですかナナ?死ぬかもしれませんよ」
「ひいぃ魔法飛んできた!!やばいよちょっと容赦ないんだけど!!!」
「本当に大丈夫ですか?」
魔法弾をチャクラムでガードして、ナナミは頷く
「そりゃめっちゃくちゃ怖いし逃げたいけど……ユリとレイヴェル残して逃げるなんて、いくらなんでも出来ないよ」
「…わかりました、でも危なくなったら下がってくださいね」
「う、うん…」
するとユリとレイヴェルは互いに目を見て頷き合う。ユリとジタンは同時に走りだし、レイヴェルは魔力を高めていった。
「サンダガ!!!」
「ジタン行くよ!!!」
「おうっ!!!」
レイヴェルのサンダガが落下し、イミテーションはダメージを受ける。ジタンはユリの風に乗って勢いのままダガーで斬りつけ、なんとか突破した。
「必ず連れてくるから!!!みんな死ぬなよ!!!絶対に!!!」
そう言い残して走り去ったジタンに、ユリは強く頷いたのだった。
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