Torn One Page〜DDFF〜

□Page8 金欠
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カタカタカタカタカタ……

現在キリノ軍ベースキャンプ女子用テント内では、ユリの電卓を叩く音だけが響いていた。ナナミはたまにその後ろ姿を見つつ、暇潰しにモグのマスコットを作っていた。

カタカタカタカタカタ……



「…………………」



…は、話しかけられない!!何この空気!?重いの!!?何で重いの!?

ナナミは一人頭を抱えていた。ユリが電卓を叩いてから、どんどん空気が重くなっている気がする。

ていうかおかしいよ!?ナナ何も悪いことしてないよね!!?…あ、まさかユリのポケットにこっそりカオスマスコット入れたこと怒ってる!?それとも……



ゴン



「Σひいぃぃっ!!?」



自分のイタズラの数々を思い出していると、突然ユリが木で作った簡易机に頭を落とした。急な出来事に怯えて見ていると、普段より低いユリの声が聞こえた



「……ナナ」



「は、はい何ですかユリお姉さまカオスマスコットはお気に召しませんでしたかそれとも寝てる間に三つ編みお団子にしたことをお怒りなのでございますでしょうかナナは深ーーーく反省している所存でございますが今度ツインテールにしてもいい?」



反省なのか何なのかわからない事を言うが、ユリはツッコミすら入れず暗い顔のままぼんやりとこちらを見る



「…今夜みんな集めて、それから夕飯パンのみみしか無いから」



「へ?」



意味がよくわからず首を傾げると、ユリは帳簿を差し出して言ったのだった



「…お金が、無いの」



その帳簿の一番下には残金38ギルと記載されていたのだった














というわけで、今日のイミテーション討伐&キリノ散策終了後、パンのみみ片手に会議が開かれたのだった



「腹減った〜……」



「俺も…これに焼きそば欲しいぜ……」



項垂れるギンと、悲しそうにパンのみみを眺めるラシア。流石に切ない夕食に元気が無いようだ
ただレイヴェルだけは普段通りの様子でいた



「はぁ…こんなことになるなら木の実でも持ってくるべきでしたね」



「お前元気だな。腹減ってねーのか?」



「これくらいなら大丈夫です。それより……」



レイヴェルはユリの持つ帳簿を覗き込み、眉を寄せた。



「…やっぱりおかしいよね」



「何がだ?」



パンのみみにを口にいれつつラシアが聞く。ユリは表情を変えずに答えた



「一週間前までは15万ギルくらいあったんだよ。それが無くなったなんておかしいでしょ。」



「帳簿には使った記録が何も記載されていません。」



お金を使った記録が残ってないということは………



「…もしかして、泥棒とかか?」



「何ー!?人から金盗むとかいい度胸じゃねぇか。見つけたら地獄に叩き落としてやるぜ!!!」



「お、落ち着いてギン!!!泥棒じゃないよ!!」



ユリに宥められて、ギンはとりあえず大人しく下がった。



「…私実はひとつ心当たりがあるの」



「心当たり?」



「…………………」



ギンの問いに頷き、ユリはずっと黙っているナナミへ視線を移した



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