Torn One Page〜DDFF〜

□Page9 喧嘩
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湖のほとりにて、ユリは水際で座り込んでいた。今日もイミテーション討伐に出ていて、今は小休憩なのだ。

…最近よく夢を見るようになった。出てくるのは少し年上か、同年代くらいの赤毛の男。



《ユリ、俺はお前がどんなになっても待ってるぞ、と!!》



《だから、またな》




そう言い残して立ち去っていく。…顔がぼやけていて、よくわからない。



「あなたは……誰なの…?」



ずっと身に付けていた鍵のペンダントを握りしめ、小さく呟いたのだった














「ん?」



適当に散歩がてらイミテーション討伐をしていた時、ラシアは小さな人だかりを見つけた。

近寄って見ると、しょんぼりと体育座りしているフリオニールと励ますように肩を叩いているティーダ、静観しているクラウドがいた。



「よっ、なに暗い顔してんだよ。失恋したわけじゃあるまi「「ふんっ!!!」」

Σぐほぉっ!!?



軽く手を上げて挨拶し近寄った瞬間、鳩尾にクラウドの蹴り、顔面にティーダの拳を食らい仰向けに倒れる



「何なんだお前は。突然やって来て何KY発揮してるんだこの阿呆が」



「ラシアあんた馬鹿だろ!!状況見ろッス!!!」



「いって〜…な、なんだよ状況って…」



「…いや、いいんだ二人とも。気にしないでくれラシア」



フリオニールは複雑そうに笑いかける。



「もう気持ちの整理はついたから大丈夫だ。クラウドもティーダも付き合わせて悪かったな」



フリオニールのその様子に、ティーダは眉根を下げる



「フリ男………」



何でそこでフリ男呼ばわりなんだ



「気持ちの整理?」



ラシアが首を傾げて聞くと、フリオニールは困ったように笑って答えた



「実は……ユリにフラれたんだ」



「……………え、ちょ、悪ぃ、話が見えねーんだけど」



いまいち話が飲み込めず、クラウドを見るとため息をつかれた。



「フリオニールはユリが好きだったんだ。」



「Σえぇ!!?」



「気付いてなかったのラシアだけだと思うッスよ。レイヴェル達は気付いてたみたいだし」



「え!?いや、何で!?そんな接点あったか!!?」



「つーか何でラシアが気づかなかったのか不思議なんだけど」



ティーダに呆れたような視線を向けられ、何となく納得いかないような顔で、ラシアはフリオニールを見た



「何で俺だけ……まぁ、悪かったな。フリ男」



「もういい、気にするな。というかフリ男で定着するな



すると、ティーダは頭に手を組んで何となしに聞いてみた



「なぁ、ところで何でフラれたんだ?」



「……わからないんだ。ただ、ごめんなさいって……」



「ユリは何も言ってなかったのか?」



「あぁ……」



少し落ち込んだ様子でフリオニールの声のトーンが落ちる。



「…………

…なら、聞いてこようぜ」



「え!!?」



ラシアが頭をかいて言うと、フリオニールは驚いて見た。



「だ、だけど………」



「理由もわかんなかったら吹っ切れないだろ。聞いとくべきだって。なんなら代わりにクラウドが聞いてくるし」



おい、俺は何も聞いてないぞ



「いいのか?クラウド」



いや聞いてないから。……わかった。ラシア、お前も付き合え」



「いだだだだ!!耳引っ張んじゃねー!!やめろ取れる!!!」



クラウドに耳を引っ張られながら、ひきずられるようにユリの元へと向かうのだった



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