Torn One Page〜DDFF〜

□Page11 忘れない
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「ナナミ、君にこれを預けよう」



秩序の聖域にて、消えたコスモスへのお祈りをするために来ていたナナミは、帰ろうとした時にウォルからずっしりした巨大な袋を手渡された。



「っておも‼重い‼非力な乙女に何持たすのさー‼」



「小麦粉と卵、バターもろもろの材料だ。一か月分の」



「Σ中身を聞いたんじゃないんだけど‼何一か月分って‼も、もう無理……ふぎゃ」



ナナミは袋の重さに耐えきれず潰された。ウォルは何食わぬ顔で袋をどけてやる。



「君たちがコスモスにこれを頼んだのだろう。なら受け取るべきだ、コスモスの遺品を」



「その言い方やめてくれない?余計重いから‼」



涙目で見上げるナナミの手を、ウォルは引っ張り上げる。するとこちらに向かって走ってくる足音が聞こえた。



「ウォル‼やっと見つけた、ちょっと稽古を…あれ、ナナじゃないか」



「あっフリオ〜ひっさしぶり♪元気してた?」



「相変わらずだなぁナナは、そして俺はフリオじゃない



登場したフリオニールにへらっとだらしない笑顔で手を振る。その様子にフリオニールは苦笑いでツッコミをいれる。それから、隣にある大きな袋に目を向けた。



「なんだこの袋?ナナのか?」



「なんかね〜コスモスからもらったっぽいよ?」



「コスモスから?こんなに大量の小麦粉を?というか…クッキーの材料に見えるが」



「くっきー?」



クッキーを知らないのかウォルは首を傾げている。ナナミはそのことに気づく様子も無く、へぇ〜と頷いていた。



「これだけのクッキーを作れば食べきれないほどになるだろうな、はは」



「これだけの…クッキー…」



フリオニールの何気なく口にした冗談をもう一度反復する。途端にナナミはパァッと笑顔になった。



「ああぁ〜〜‼そうだ‼!」



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