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□星痕と罪
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真っ暗な闇……………
そこに俺は独り立ち尽くす
雨が降っているのか
冷たい雫が何粒も俺に刺さる
ふと雨に交じって違う匂いに気付いた
----------花の匂い
「エアリス?」
辺りを見渡す
しかしそれらしい姿は無い
代わりに視界の隅に長い銀髪が見えた
「…………セフィロス」
一年前自分達が必死に探して………決着を着けた男がこちらを見ている。
「あの少女は来ないぞ」
見下したように微笑む
「あの少女はお前にこう言っていた、『クラウド、私を助けてくれなかった、ね』とな」
「……黙れ」
体の芯が激しく揺れる。一番聞きたくない言葉だ。
「残念だったな、クラウド。もうお前の居場所も無いようだ。」
「黙れ……っ」
嫌いな雨がうっとうしく俺に刺さる
「『クラウド、どうしてエアリス助けてあげなかったの?』『エアリスが死んじまったのはあんたのせいだ。』お前の仲間もそう言っていたらしい。」
「黙れ…黙れ黙れっ……」
奴から逃れるように
激しく首を振る
皆がそんな事言うはずがない。そう思って最初はセフィロスを信じなかった。
「『お前なんか……「黙れ黙れ黙れっっっっ!!!!!!」
でも、口調も声もそっくりに言い出す奴を心が嫌でも信じてしまう。
奴は他にも俺を責めたてる台詞を発する。
俺は耳を両手で塞ぎ、目を強く閉じてうずくまる。
するとセフィロスに左腕を掴まれて立たされ、耳から手が離れた。
「ではお前に償いの機会を与えよう」
奴の掴んでいる手から黒い煙が上がり、その手が俺の左腕に沈んでいった。
「ぐあああぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
頭がおかしくなるほどの激痛が左腕を走り、次に右腕、両足、終いには頭を駆け巡った。
「忘れるな、お前のした事は誰にも許されない。そのため誰もお前を助けない、罪を償うまでな。
そして忘れるな…………………
---------お前は一人だ。
朦朧とした意識の中でセフィロスが静かに囁く。
斬られたよりもずっと痛い感覚、俺は気を失った。
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