藍唄2

□39†手のひらダンスホール
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絶賛夏真っ盛りだというのに、その2人は暑くないのかぎゅっと抱きしめあって眠っていて。

部屋には確かに冷房は効いているのだけど…。寒いからそうしているワケではなさそうだ。



起きる気配を見せないアリアとディーノ。朝食はとうに出来ているのに起きてこない2人に痺れを切らしたのか、誰かが起こしにやってくる。


起きていないのは分かってはいるが、一応のマナーとしてドアをノックする。返事を期待していないのからかそれはすぐに開けられた。




「おーいボス、お嬢。朝だぞ起きろー。朝飯もとっくに出来てンぞ」


「う゛ー…」


『すー…くー…』


「…ボス、今日シエーレんとこのご令嬢とデートの約束あるんじゃなかったか?」


「うわそうだったやべぇ!!」




ガバッ


声を掛けても起きようとしないディーノに向けて、起こしに来た男・ロマーリオは本日のメインスケジュールを投下する。と、途端に焦ったような表情と声でもって起き上がり。

抱き締めて寝ていたアリアも必然的に起き上がった。


しかし意識は未だ夢の中。小さく身じろぎながらディーノの胸板に顔を押し付けた。




「うぉぉアリアその仕草すンげぇ可愛いんだけど、今は退いてくれねぇか…!本心としてはとんでもなくこのままがいいんだけども!」


『んー… や。』


「アリア…!」




ベッドの上でじゃれるその様はご主人様とペット、というよりは恋人同士にしか見えず。

アリアの下着にキャミソール一枚だけ、そしてディーノの上半身裸にズボンのみという格好も見る人が見れば情事後のカップルだ。


まぁこれは単に2人の寝間気がこれというだけなのだけれど。


キャバッローネの人間でも、2人の仲よく知らない者が見たら大いに誤解するだろう。
慣れているロマーリオだからこそ、こうして動じずにいられるのだ。














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