腐敗した君に亡骸
□鷹の追撃
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恐らく頭の中でその状況を想像したのだろう
事実、現場に赴いた警察官の数名がその場で嘔吐し、気を失う者までいたそうな
「ふーん…。その世界的に有名な殺人鬼って?」
「名前は不明ですが、通称“晒し魔”と呼ばれる男だそうです。性別が男ということと武器が鋭利な刃物ということ以外ハッキリと分かっておらず…。一種の都市伝説と化しています」
そして困ったことに、世界のそこかしこにはその殺人鬼の熱狂的ファンがいる。
彼を模倣して殺人事件を犯した者も少なくなく
ただ不思議なことに本人以外、つまり模倣犯は全員捕まっているらしい
コピー出来ない。それが“晒し魔”を崇める者たちの尊敬して止まないところだったりする
そこまでを草壁の口から聞いて、機嫌を悪くするどころかむしろ楽しげに雲雀は笑った
椅子を引いて立ち上がり、背後の窓へ近づきペタリとガラスに手をついた。眼下には並盛の街が広がっている
「そいつは僕が捕まえるよ。この僕の並盛で殺人なんてことしてくれたんだから、キッチリ落とし前着けてもらわなくちゃね」
「では我々もお手伝いいたします。ご指示を」
「そうだね、まずは一週間以内に並盛に来た外人の男を全員調べ上げてリストを作成して。その中から特に怪しいのを、僕が直接調べ上げる」
「は。では早速調べて参ります」
雲雀が見ていないのを分かっていながらも、ペコリと頭を下げ退室した
1人残った雲雀は窓の鍵を下ろして、カララ…と窓を開ける
ふわりと風が舞い込み、短い雲雀の髪とスカートを揺らした
左腕につけた赤い腕章が、はためく
「殺人鬼か…。楽しませてくれそうだね」
不敵に笑う彼女の瞳は野生の捕食者の如く輝いていた
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