水星の人魚
□海へ恥じらう
3ページ/4ページ
そっと人魚の手からビキニを取り、彼女の後ろへ回った。不思議そうに振り返る人魚も気にせず 大きく深呼吸を一つ
「(大丈夫、大丈夫だオレ!こ、んなビキニ着せるぐらいチョロいぜっ 男だからな!)」
と、心の中で呟くものの実際彼の心臓バックバク。例え下は人魚でも上は完全に女の子、しかもほぼ同年代。
意識しないワケがない。
顔の血流をイヤに良くしながらまずはビキニを体の前に回し、首に掛かる紐を結ぶ。
大切な部分を見てしまわないよう注意しながらも胸がビキニの中に収まっているかを確認し、背中に回る紐を丁寧にちょうちょ結びにする。
難無く出来た作業だったが、獄寺の心臓も指先も心配になるくらい震えていて。
今まで感じたことのない緊張だった
ほー…っと安堵の息を吐き出せばくるっと人魚が振り返る。
その胸は黒いビキニに包まれており
「ん、やっぱ黒にして正解だったな。似合ってんぞ」
褒めるつもりで、不格好ながらもぐしゃぐしゃと彼女の頭を撫でる。
髪が乱れてしまった
海へ恥じらう
あとがき→