Gray Story
□過去拍手小説
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2月拍手
神アレ嬢 * バレンタインVv
「よしっ!上出来Vv」
そう言ってアレンは白いボックスについさっき完成させたチョコレートを添えてリボンを結んだ
甘い物が苦手な彼のために日本の「まっちゃ」の味にしてみた
一度なめてみたが、お茶のような風味がして少し苦い
今日は女子が男子にチョコレートを渡す日
世間で言う「バレンタイン」である
もちろんアレンもその女子の中の一人
リナリーは科学班の人たちみんなに渡していたが(本チョコは兄のせいで渡せない)
アレンは本当に好きな人にあげると決めていた
アレンのチョコを欲しがっている人は山のようにいる
しかし、今のアレンにはそんな人たち視野にさえ入っていない
それだけその人に一直線なのだ
「リナリーに味見してもらったらおいしいって言ってくれたし、包みも大丈夫。よしっ!」
小さな胸の前で拳を握り、アレンは彼のいる部屋に歩いて行った
その間、廊下をすれ違う男どもがアレンを見て泣いていたのは言うまでもない
彼のいる部屋の前に着くと、アレンは一度大きく深呼吸をしてドアノブに手を差し伸べt
ガンッ
「んっ?お前なにやってんだ」
「・・・・・・っ((涙」
開こうとした扉がアレンのいる方に開き彼女の顔面に直撃
声にならない叫びをしながらしゃがんで痛みに耐えていた
もちろん出てきた人も悪気があったわけでもない
偶然開けたら彼女がいてそれが偶然彼女の顔面にぶつかった
そう言ってアレンは心の中を落ち着かせていた
落ち着いたところでアレンは立ち上がり出てきた人の前に自分の持っていたチョコを出す
もちろんいきなりのことでその人は目を丸くしていた
「これっ、受け取ってください。今回は絶対上手くいきました!神田のために甘さだって控えたし」
言っている途中で彼・・・神田は彼女から箱を取り上げて中身を拝見していた
自分に扉が直撃して来てもチョコだけは死守したので箱&中身は無傷
「味見は?」
「リナリーがしてくれました」
「お前は?」
「食べてませんけど・・・」
いきなりの質問攻めにとにかく答えてみるが神田の行動がまったく理解できない
そこまで言うと神田は中のチョコを一粒とった
食べてくれると思って嬉しくなった・・・がっ
「むぐっ!?」
その一粒をアレンに口に入れた
ほろ苦い味が口の中に広がる
「にゃっ!?(なっ!?)」
「毒味」
確か味見はしていないが「毒味」ってなんだ「毒味」って!!!
さすがのアレンも怒りも頂点にきた
「なんですって・・・むぐっ!!?」
文句を言おうとした瞬間神田がアレンの口をふさいできた
もちろん自分の唇で
「んっん・・・んっ!」
すると、神田の舌がアレンの口の中に侵入してきた
長時間ふさがれていてアレンはどんどん酸欠に追いやられていった
「んっん〜・・・ぷはっ」
やっと解放されて酸素を求めるために深く呼吸した
「なっなんなんですか!?」
そう言うと神田が舌なめずりをして
「ごちそうさま」
チョコの味は甘いキスの味だった
「毒味とかいって・・・バ神田ぁ・・・ホントにまずいかと思った・・・」
「まずいもん食わせんなよ」