Paraller

□白くて綺麗な君の嫉妬もよう
1ページ/4ページ

人間なんてみんな嫌い
でも、貴方は好き

貴方を取ってく人間は大っ嫌い!!!




≪白くて綺麗な君の嫉妬もよう≫






ティキがある部屋に入っていく、扉を開ければそこには雪のように白い君がいる
肩ほどの髪は時折風に揺られて銀色に輝く錯覚を見せる。白い肌にはそれを強調されるかのように赤く生々しい傷が涙のように刻まれている
そして、女性のように細い首にはスカーフに隠れて十字架の跡・・・聖痕が刻まれていた


「よっ少年!ただいま」


そう呼ぶと窓の外を眺めていた少年の瞳がティキをとらえる
とても美しい銀灰色の瞳で・・・

しかし、その瞳は何やら鋭く冷たくティキを睨んでいる


「・・・少年?」


ティキが再び呼びかけると少年はそっぽを向いてしまった
これは何かがあると察し、ティキは少年に近付いて、少年の座っている椅子の背に腕を置いた


「お〜い、なんでお姫様はそんなにふてくされてるのかな?」


冗談まじりで問いかけてみるが、少年は無視
ティキはずるっと肩を落とした
あきらめて少年の椅子を背にその場に座りタバコを取り出しては口にはさんで火をつけた


「せっかく恋人が帰ってきたのにお帰りの一言もなしか?」

「・・・恋人だったら相手を置いてくんですか?」


ようやく口を開いたが少年はまた黙り込んでしまった。しかも、突き放すような言い方で


「千年公から頼まれた、仕事だったんだから仕方ねえだろ。俺だって本当は少年を連れて行ってやりたかったよ!」

「千年公のせいにするなんて最低ですね」

「んなっ!」


少年の毒舌な言葉に返す言葉を失ったティキは悔しいながらもあきらめて再びタバコをふかした



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ