Paraller
□雪の華
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ふわふわと降ってくる白い雪
そんな中、頬を赤くして
やわらかく笑う君に見惚れてしまう
≪雪の華≫
季節は冬
肌を掠める風は冷たくヒリッとした痛みの錯覚を起こす
息をはけば白く空に消えていく
そんな季節の夜
あたりは日が落ち暗くなっていたころ、ある一組の男女が夜道を歩いていた
「ラビがいつまでも図書館で本読んでたから遅くなっちゃったじゃないですか!」
「だからゴメンって。でも、オレちゃんとアレンに先帰っていいって言ったさ!」
「僕が一人でこんな広い街帰れると思ってるんですか!?」
「あぁ〜」
バキッ
「・・・っ〜!!!アレン自分で言ったんじゃん」
「五月蠅い!!」
周りに響いて迷惑をかけそうなくらい叫んで言い合っている二人
アレンのゲンコツまでもが暗い夜道に響き渡る
「でも、こんなに遅くなるんだったら一人で帰った方が早かったかもしれません」
「迷子になったら同じくらいじゃね?」
バキッ
「痛ったあーーー!!!」
「フンッ」
さっきより重く痛い音が響いた
怒ってそっぽを向いてしまった彼女に殴られた後頭部を押さえながらラビは鼻で笑った
そうして後ろからアレンを抱きしめると彼女は驚いたように目を見開いた
「ちょっ!ラビ!?なに道端で・・・///」
「どうせ人いないんだし?アレンの本音も聞きたいしVv」
暴れるアレンをギュ〜っと抱きしめて逃がさないようにするとアレンは頬をどんどん赤くしていった
「本当はオレと一緒に帰りたかったから待ってたんじゃないの?」
そう耳元で呟くと図星なのかアレンは耳まで赤くして彼の方に体を向けた、ラビには反論しない
ラビはそんなアレンを可愛いと思い頬に触れる程度のキスをした
プシュ〜っという音が聞こえてくるかのようにアレンはラビの胸元に沈んでいった
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